オバマケア廃止で無保険者3200万人増=米議会予算局

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米議会予算局(CBO)は19日、与党・共和党が成立を目指す医療保険制度改革法(オバマケア)廃止法案が施行された場合、無保険者が来年1700万人増え、2026年までに3200万人増加するとの見通しを発表した。

無党派のCBOの試算では、保険料は来年25%上昇し、2026年には倍増する。一方で、連邦政府の赤字は4730億ドル(約52兆9000億円)減少する。

共和党が多数を占める上院で同党指導部はすでに2回、新たな医療保険制度案の採決に失敗している。

共和党指導部は2010年に成立したオバマケアをまず廃止した後、2年かけて代替案をまとめることを提案している。

ドナルド・トランプ大統領は19日、ホワイトハウスで共和党の上院議員を集めた昼食会を開き、夏季休会を延期してオバマケア撤廃と代替案成立に取り組むよう求めた。昼食会には、同党所属の上院議員52人のうち49人が出席した。

トランプ大統領は、「我々はこれをまとめて、完了させないといけない」と語った。

トランプ氏はオバマケアについて、過去2日間で何度か主張を変えている。最初は廃止と代替案の同時成立を求めていたが、まずは廃止だけすべきだと主張を変えた。その後、オバマケアの破綻を座視して待つべきだとも述べたが、19日には再び廃止と代替案の作成を求めるようになった。

トランプ大統領は、共和党議員たちに「あなたたちは、オバマケアを廃止すると7年間、米国民に約束し続けてきた。人々は苦しんでいる。行動しないというのは選択肢にない。はっきり言って、医療保険制度案ができるまでこの町(ワシントン)を出ちゃいけない」と述べた。

トランプ氏は隣りに座っていたネバダ州選出のディーン・ヘラー議員を話題に取り上げ、「だって彼は上院議員を続けたいだろう? そういうことだよ」と語り、党の方針に従わなければ再選できなくなると警告した。同席した議員たちの間には、きまりの悪い笑いが広がった。

ヘラー議員は共和党指導部の最初の法案に最初に反対した議員の一人だった。同議員の議席は来年の中間選挙の再選対象となっている。

上院共和党を率いるミッチ・マコネル院内総務は、オバマケア廃止法案を来週前半に採決したい考え。

しかし、同党上院議員のうち少なくとも3人が18日に反対を表明していることから、廃止法案が可決される可能性は低い。

マコネル氏は、オバマケア廃止法案は2015年に共和党上院議員の一人を除く全員が賛成した法案と同じものだと指摘した。ただし、法案への賛成は当時のオバマ大統領が拒否権を行使すると知っての上での行動だった。

しかし、共和党が上下両院の多数を占める現在、所属議員の一部は、多くの国民が医療保険を失うことにつながる法案への懸念を示している。

巧みな議会運営で知られるマコネル氏も今回の法案をめぐっては苦戦を強いられているが、同氏は、「幸いなことに(法案に)署名してくれる大統領が就任している。大統領に送付しよう」と語った。

野党・民主党が共和党案への反対で団結するなか、定数100の上院で52議席を持つ共和党が法案を通すには、造反者を2人までに抑える必要がある。

共和党では、スーザン・コリンズ議員(メーン州選出)とリサ・マコウスキー議員(アラスカ州選出)、シェリー・ムーア・キャピト議員(ウェストバージニア州選出)がオバマケア廃止法案に反対を表明している。

昨年の大統領選・議会選でトランプ氏や共和党下院議員らは、オバマケアの廃止を選挙公約の最も大きな柱にしていた。オバマケアが米国の医療制度に介入し、支出増を強いているというのが彼らの見方だ。

共和党の代替案には、低所得者向け公的医療保険のメディケイドへの支出を大幅に削減し、オバマケアの下で全ての国民に医療保険への加入が義務付けられ、非加入の場合に罰金を支払わせるという制度の廃止が含まれる。

共和党案にはさらに、医療保険の有効期間が2カ月以上切れている場合には新たな保険への加入を半年間禁じる条項が含まれる。

(英語記事 Republicans' Obamacare repeal plan 'axes insurance for 32m'