地上波では困難な衝撃的な題材を描く「雨が降ると君は優しい」

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 玉山鉄二&佐々木希が「セックス依存症」に苦悩する夫婦にふんする野島伸司脚本のHuluオリジナルドラマ「雨が降ると君は優しい」が、今秋より配信されることが決定した。玉山は不特定多数の男性と関係を持つ妻にジレンマを抱きながらも愛を貫く夫に、佐々木は家庭に不満がないにもかかわらず自らの衝動をコントロールできず激しい呵責にさいなまれていく妻を演じる。

 玉山の役どころは、妻をいちずに愛し、かつては小説家を目指していたが挫折し、月刊文芸誌の副編集長となった立木信夫(たちき・のぶお)。玉山はかつて「薔薇のない花屋」(2008)で野島作品に出演しているが、「実を言うと、今回の台本を初めて読んだときは深く理解することができませんでした」と言い、「でも、もっともっと深く掘り下げたいと思い、野島さんやスタッフの方々と食事に行った時も『一字一句聞き逃すまい』と、話にアンテナを張り巡らせるあまり、何ひとつ食べなかったほど」と役への没頭ぶりを吐露。

 一方、「セックス依存症」という難役に臨む佐々木は「彩を演じていると、日々つらい気持ちになる」一方で、「このような女性を演じるのは初めてなので『すごい挑戦だな』とやりがいを感じますし、女優として新しい扉が開けている気もしています」と新境地に意欲を見せる。佐々木は女性誌で読者モデルをしたのち結婚後、老人ホームの介護助手となり、なぜかまぶしく晴れた日には抗えない衝動を覚えて見知らぬ男と肉体関係を持ってしまう立木彩(たちき・あや)を体当たりで演じる。

 「高校教師」(1993)、「家なき子」(1994)など社会現象を巻き起こすヒットドラマを手掛けてきた野島が3年を費やして完成させたという本作。地上波作品では困難な題材に挑んだ野島は、「夫婦のラブストーリーを描こうと思いましたが、昨今流行りの浮気や不倫のドラマは私には興味がありません」といわゆる不倫モノとは一線を画していることを強調しつつ、「“妻のセックス依存に対する罪悪感”“夫の理解しようとする葛藤”という、心と身体の二律背反を描くことで夫婦の愛の絆を試す極限状態の磁場を敷きました」と意図を説明している。(編集部・石井百合子)

Huluオリジナルドラマ「雨が降ると君は優しい」は今秋配信スタート