2014年以降、いくつかの漫画・アニメ作品が大いに人気を集め、漫画アニメ産業を新たな飛躍へと導くようになった。大量の資本や人材が流れ込み、これまで冷え冷えとしていた漫画アニメ産業は他産業をしのぐ「熱さ」になった。だが3年間の奮闘の後、漫画アニメ企業の9割が結局は以前と変わらず赤字で、問題の根本は商業化に向けた開発が不成功だったことにあるといえる。ところが一部の企業は損益に苦しむ状態から抜け出し、漫画アニメ産業の本丸といえる日本市場に直接「殴り込み」すらかけている。どうしてこのようなことが可能なのだろうか。一財網が伝えた。

▽躍進の3年間、9割が赤字

3年前、ネット文学の知的財産権(IP)をめぐる動きが活発になり、IPの重要な供給源の一つである漫画も資本の関心を呼ぶようになった。とりわけ後に映画市場に「大閙天宮」(日本題「モンキー・マジック 孫悟空誕生」)、「西遊記之大聖帰来」、「大魚海棠」(「ビッグフィッシュ&ベゴニア」)といった巨額の興行収入を上げたアニメ作品が登場すると、資本の熱狂ぶりがさらに高まった。

総合型漫画アニメ企業・中影年年の銭暁宇社長は、「数年前には中国の漫画アニメ企業の多くは代理加工企業に過ぎなかったが、ここ3年ほどは資本の流入にともない、資本の支援を受けてオリジナル作品に回帰するようになったところが多い。ただコストがかかり、明確な収益モデルがないことが、引き続き業界全体を悩ませる問題となっている」と話す。

漫画アニメ産業の開発の成功例は少なくない。ハリウッドの大手制作会社マーベルも漫画アニメからスタートし、ハリウッドで数十年にわたり経験を積み上げて、ついに一連の漫画アニメのIPを獲得するようになった。中国は今はIPを蓄積している段階で、「全職高手」(「マスターオブスキル」)、「画江湖之不良人」、「秦時名月」など中国で大人気のIPはあるが、マーベルのようなスケールの大きなIPへの発展を目指すなら、まだしばらく時間がかかることは明らかだ。

だが今ある漫画アニメ企業の多くは持ちこたえることができないとみられる。業界関係者によると、大人向けの漫画アニメ産業にはまだこれといったビジネスモデルがなく、愛奇芸などの放送プラットフォームが有料視聴などのモデルを試行し始めたとはいえ、収入はまだ少なく、漫画アニメ産業全体の投資コストを回収するにはほど遠い。3年前には資本が大量に流入したが、その時の資金はほぼ使い尽くし、引き続き有効なビジネスモデルが見つけられなければ、資本がこの分野にさらさらと流れ込んでくることはあり得ず、やがて多くの企業が会社整理という事態に直面することになる可能性がある。

▽創作と商業化を平行

こうした状況の中、新たな立て役者として登場した漫画アニメコンテンツ制作会社の麦萌は、業界が資本の冬を迎える中で1億元(1元は約16.6円)を超える融資を獲得し、業界の流れとは逆に日本市場に進出し、人々を大いに驚かせた。麦萌の経験を総括すると、主に2つの点が特筆される。1つは商業化された運営を重視していること、もう1つは日本の漫画市場においてメディアが移り変わる際の空白期間をうまくつかまえたことだ。

現在の漫画アニメ作品の開発それ自体ではそれほど稼げるわけではなく、多くの作品は長い蓄積期を経て大型IPに成長した後、再び川下産業チェーンの開発を通じて利益を達成するというコースをたどらなければならない。同時に、多くの漫画アニメ企業は作品の創作にばかりかまけて、広告会社との協力をおろそかにしてきたため、広告料などのすぐに手に入る収入が極めて少なく、いつ入るかわからない長期的な収入を待つしかない。麦萌はこうした現状を変えようとしている。