第157回「直木賞」を受賞した佐藤正午氏

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 日本文学振興会は19日、『第157回芥川賞・直木賞(平成29年度上半期)』を発表し、直木三十五賞に佐藤正午氏(61)の『月の満ち欠け』(岩波書店)を選出した。発表時、長崎・佐世保にいた佐藤氏は電話で会見を行い「獲っちゃったなっていう感じです」と受賞した感想を伝えた。

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 受賞作『月の満ち欠け』は、“生まれ変わり”をモチーフにした恋愛小説。記者から「佐藤さんにとって直木賞とは?」「デビューしてから34年を振り返って」などと質問された佐藤氏は「ある程度予想していた質問と全然違うのがくる。自分の文章のことはよくわからないです」と苦笑。

 自身が想定していたのは「60歳を過ぎての受賞は、今さらって思いますか?」だったと明かし、答えは「思いません。今さらとは思わないけれど、『今?』っていう感じはします。今まで出会ってこなかった直木賞に出会って、『今から寄っていかない?』『今から?』っていう感じ」と語った。

 「ずっと直木賞を意識して書いていたわけではなく、作家人生を歩んでいたら“ばったり出会った”」と表現し、デビューしてから現在までの34年間は「いい編集者に出会って、マイペースを保ってこられた」とコメントした。

 一方、デビュー作『影裏(えいり)』(文學界5月号)で芥川龍之介賞を受賞した沼田真佑氏(38)は、「編集者の方と待っていて、そんな(受賞する)つもりなかったので部屋着のようなかっこうで来てしまった」と後悔。「1本しか書いていないっていうのがありますので、ジーパン1本しか履いていないのにベストジーニスト賞を獲るような…」と例えて笑いを誘った。