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●異なる企業を横断してIoTデータを活用

NECパーソナルコンピュータとキュレーションズは、企業がIoTデバイスを利用するサービスを容易に提供するためのIoTプラットフォーム「plusbenlly(プラスベンリ)」のベータ版を一般公開した。ベータ版では、利用は無償だが商用利用は行えない。正式サービスは2018年を予定している。

NECパーソナルコンピュータ代表取締役 執行役員社長の留目真伸氏は、「plusbenlly」を生み出すキッカケとして。「IoT化が叫ばれている一方、新しいIoT体験はまだまだ少ない」と発言。その理由として、各分野、業界での縦割りビジネスモデルによるデータの分断を挙げた。

そこで違った業界が組んでIoTサービスの提供を行い、フロントエンドも統合させる。これにより、バックグラウンドで縦横無尽にIoTデータが結びつくと、新たなサービスや事業が生まれると見込んだ。これを実現するためのプラットフォームがplusbenllyだ。

plusbenllyの具体的な内容に関しては、キュレーションズ株式会社の根本氏が説明。現在のIoTビジネスを創出する上で、デバイスメーカーはエンドユーザーを獲得する必要がある。サービス提供者は新しいユーザー体験の創出を、IoTテクノロジー企業は最先端技術の利用促進を図らなければならないというプレーヤーごとの課題を抱えているという。

○ユーザーからはplusbenllyが見えない

plusbenllyはこれらの企業を繋ぐ役割を果たす。デバイスメーカーはサービス提供者経由で多くのデバイスを提供することができ、テクノロジー企業は新技術をユーザーに届ける事が可能。そしてサービス提供者は独自にデバイスや技術を開発せずに低コスト・短期間でサービス開発ができるようになる。

plusbenllyはUXやデータの中継ぎをするプラットフォームであり、データそのものは保有せず、データの利用許諾もサービス事業者が個々にユーザーから許諾を取る仕組みとなっている。ユーザーからはplusbenllyを利用しているかどうかは見えない、ビジネスユーザー向けのバックエンドサービスとなる。

●正式版ではビジネスパートナーへ課金

plusbenllyには、さまざまな分野に関わる50社以上が賛同を表明している。

説明会の後に根本氏に尋ねたところ、ビジネスパートナーのメリットは、最新技術を保有するテクノロジーパートナーや、優れたアイディアを持つコミュニケーションパートナーとのマッチング、そして従来ならば企業が持つIoTデバイスのAPIを個々に利用するところだが、plusbenllyでは共通のSDKを使う事でアプリ開発効率が上がる、というところにあるようだ。

○RIZAPの想定 - 手間をかけず、より効率的な分析が可能に

ビジネスパートナーの一社であるRIZAPで例えると、従来ならば、利用者が摂る食べ物に関しては、メッセージのやり取りをすることで、トレーナーはかなり正確に把握することができていた。一方、消費カロリーに関しては、利用者の自己申告に基づいていたという。

これがplusbenllyを使う事で、利用者が使う活動量計から得られた運動量や推定カロリー消費、体組成計による体重や体脂肪率のデータを活用することが可能となり、ユーザーは手間をかけずに正確なデータを提供。RIZAP側は、提供されたデータに基づいたより効率的なアドバイスが可能になるという。

IoTデバイスやWebサービスをつなぐ仕組みとしては、コンシューマー向けの「IFTTT」や「myThings」がある。plusbenllyのメリットは、ビジネスパートナーがテクノロジーやコミュニティパートナーと組みやすい仕組みを作っているところにありそうだ。

○正式版は2018年に、ビジネスパートナーへ課金

plusbenllyの正式版は2018年に提供予定という。

開始後のビジネスモデルに関しては、データを利用する際にビジネスパートナーに対して課金する事を想定している。IoTデバイスと、データを保有している企業に料金を払う事は想定しておらず、ビジネスパートナーがサービス利用のためにデバイスを購入する事によって還元できるという。

説明会では、plusbenllyに対するパネルディスカッションも行われた。ロフトワーク代表取締役の林千晶氏は、「オープンイノベーションの重要なところはデータの取り扱い。データの所有者が誰であるか、これから線引をしていく必要がある」とコメント。また、さくらインターネット フェローの小笠原治氏は「IoTのプラットフォームは独占的では(ビジネスとして)うまくいかない。横断させることに意味がある」とし、オイシックスドット大地執行役員 統合マーケティング部 部長の奥谷孝司氏は、IoTデバイスが横断的につながることで「サービス業としてはマーケットチャンスになる」などと語った。