マーリンズ・イチロー【写真:Getty Images】

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歴代23位の米3056安打達成…敵地で元名手が注目「試合前のイチローを見るのが好き」

 米大リーグ・マーリンズのイチロー外野手が18日(日本時間19日)、本拠地フィリーズ戦の8回に代打で登場し、左前打でメジャー通算3056安打をマーク。「メジャーリーグ史上最高のリードオフマン」という異名を持つリッキー・ヘンダーソンの持つ3055本を抜き、歴代単独23位に浮上した。新たな金字塔を打ち立てた裏で、イチローのプロの鑑とも呼ぶべきルーティンが脚光を浴びている。敵地フィラデルフィアのテレビ局が報じた。

 イチローは2-3の8回2死走者なしで代打で登場。すると、敵地で中継している「CSN」の解説を務め、現役時代にオールスター3度出場の名外野手、ジョン・クルック氏はこう語り始めた。

「私は試合前のイチローを見るのが好きなんです。彼は誰よりも先にフィールドに出てきます。スプリンターのようにランニングをして、ストレッチ、ランニング、ストレッチ。それだけで私なら疲れ切ってしまいます」

 外野手4番手という役割をこなすイチロー。それでも、試合に臨む周到なルーティンは現役通算打率.300を誇ったクルック氏を感銘させ、実況は「確かにものすごくストレッチをしますよね。そこに疑いの余地はありません」と語った。

 キャリアで大きな怪我のないイチローは、クラブハウスなどで常にストレッチを続けている。高い柔軟性を維持するための独特のルーティンは敵地メディアにも認められているようだ。

どんな瞬間でも準備欠かさないベテラン「全ての投球の合間にストレッチしていた」

 イチローがマリナーズ時代に出場した2004年7月13日のオールスターで、クルック氏にとって忘れられない光景があるという。「イチローがセンターを守っていましたが、全ての投球の合間にストレッチしていましたよ。彼の姿を見るのは喜びです」と話し、どんな瞬間でも準備を欠かさない大ベテランに感銘を受けていた。

 そして、イチローはカウント2-2から外角速球に両腕を伸ばし、レフト前に運んだ。

 実況は「イチローが叩きました。これは落ちて、ヒットだ。通算安打数でリッキー・ヘンダーソンを抜きました」と記念の一打を紹介。巧みなバットコントロールでショートのフレディ・ガルビスの頭上を射抜いた。

「(このヒットは)教えられるものではありませんが、彼の長い長いキャリアを通じて機能し続けているのです。これは彼ならではのヒットです。ただバットを伸ばして、フレディの頭上を越えさせました」

 クルック氏はイチローの技ありの一打に脱帽。至高の技術で積み上げた3056本という金字塔と、それを支えるストイックな一流の流儀があるから、イチローは愛されるのだろう。