7月18日、東京都港区の赤坂にあるナックイメージテクノロジー 赤坂レンタルにて「ARRIカメラアクセサリ勉強会」が行われた。ARRIメカニカルアクセサリプロダクトマネージャー、フィリップ・ヴィッシャー氏によるマットボックスのLMB-4×5や、ARRIエレクトロニクスアクセサリプロダクトマネージャー、ヘンドリック・ボス氏によるワイヤレスコントローラーの紹介が行われた。そのうちの「用途に応じてなんでもできる」と言われている万能マットボックスのLMB-4×5について紹介したヴィッシャー氏の講演についての紹介をしよう。

ARRIメカニカルアクセサリプロダクトマネージャーのフィリップ・ヴィッシャー氏

まず新製品の中でも強調して紹介したのは、新型アクセサリ「Universal Bridge Support」の「UBS-3」。ユニバーサルという名前の通りに、真ん中がライトウェートの15Φ、外側が19Φのロットに対応する。既存のUBS-2と比べて重量は20%減らして、商品の価格は15%安くなった。ネジ穴はアクセサリマウントとしても使えるし、ハンドグリップを取り付けるといった使い方も可能だという。

業界標準のロッド(15mm LW、15mmスタジオ、19mmスタジオ)と互換性のある「Universal Bridge Support」の「UBS-3」

そして、メインで紹介が行われたのがARRIのレンジの中に新しく入ったマットボックス「Lightweight Matte Box LMB-4×5」だ。LMB-4×5は、以前から発売されているミニマットボックス「MMB-1」やスタジオマットボックス「LMB-19」、定番モデルのライトウェイトマットボックス「LMB-25」に変わるモデル。すでに購入したものを資産として活かせるように、LMB-25のユーザーは、LMB-4×5へのアップグレードプランが用意されている。LMB-25のパーツをそのまま流用して、一部パーツを購入すればLMB-4×5のプラットフォームに乗り換えることが可能だ。

画面はLMB-4×5のプロセット。フラッグ、マットセット、スウィングアウェイ・ティルトモジュール、ティルト・プレックスアダプター、アクセサリーアダプター、トレイキャッチャー、エクストラフィルターステージ2種が付属する

LMB-4×5の特徴は幅広いオプションで、ほぼすべてのアプリケーションに対応できることだ。LMB-4×5に対応したさまざまなアクセサリがリリースされており、ヴィッシャー氏は1つずつ紹介していった。例えば「Tilt and Flex Adapter」は、ゴム製のドーナツアダプタで、62〜143mmまで伸びることによりクランプアダプタを所有していない人でもさまざまなレンズを取り付けることが可能。スチルレンズや昔のビンテージレンズは、レンズフォーカスやズームの操作で、筐体長が変化してしまうものある。このようなレンズは固定してしまうとレンズが動かなかったり、レンズに負担をかけるという問題が発生する。こういった場合に伸び縮みすることによって動きも吸収するこが可能になる。

LMB-4×5のアクセサリ類。触ることも可能な形で展示されていた

トップフラッグは、LMB-25と同じ形をしていて、LMB-25にそのまま使うことも可能だが新機能も搭載している。横に伸びるシステムが追加されており、斜め横から入ってくる光を遮ることができる。また、クランプメカニズムが以前のLMB-25では横に飛び出してしまっていたがこのあたりの問題も改善されている。

すべてのフラッグはカーボンファイバーでできており軽量化を実現している。また、マッドボックスを収納する際に平面になるように設計が変更されていて、マッドボックスから取り出す際にわざわざフラッグを取り付けたり、戻す際に外すなどの手間をかける必要がないという。

クランプアダプタは、85mmと100mmと162mmが新しく追加された。162mmはangenieux Optimoの24-290mmの12倍ズームレンズに対応するもので、Optimoの24-290mmを使うためだけに6×6のマットボックスや、6×5のフィルターシステムを持ち歩くのが非常に困難というDPさんからの要望で実現したものだという。ただし、24-290mmの28mmでもだいぶけられるため、そこは使わないと割り切る必要がある。そのかわり、4×5.65と同じフィルターシステムや同じマットボックスを使えるという要望から生まれてきたという。

LMB-4×5がリリースされたのは今年5月23〜25日に行われたBroadcast Asiaで、その翌月に行われたCine Gear Expoにはカメラ関係の製品で1年に一製品だけが受賞できる「Cine Gear Expo Technical Awards」を受賞。ALEXAやSkyPanelを引き抜いて、ライカもキヤノンもカメラを出展していたし、パナソニックは新しいカメラを発表したもにも関わらず、ARRIのマットボックスが受賞してしまったという。

工具を必要としないで独自のモジュール形式を採用し、かつ撮影に応じて自由に構成を変更できるというLMB-4×5は魅力的な製品といえるだろう。展示会などで現物が展示されている機会があるならば、ぜひチェックをしてみてはいかがだろうか。