埋め込まれた子午線の横には、各国都市名と東経、西経の数字が書かれている。

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 夏休みに、赤道をまたぐ旅は暑そうだけれど、子午線をまたぐならロンドンの旅だ。もっとも、熱波が繰り返し来ている欧州だから避暑になるかどうかは“運だめし”だが、世界遺産のグリニッジで天文学と時の歴史をたどり、風に吹かれて小高い丘から街を一望することができる。お約束のアフタヌーンティーを楽しめば、紅茶の国ならではの旅情だ。

 ロンドン中心部から地下鉄やDLRなどの列車を使って約30分。カティーサーク駅で降りて外に出ると、左手に駅名通りの帆船「カティーサーク号」が見えてくる。19世紀の紅茶運搬を担った、英国で保存されている唯一のティークリッパーだ。アフタヌーンティーを楽しむ“前哨戦”に、高速でお茶を運んで大活躍した船体を眺めつつ、今度は駅右手方面に歩くと、旧王立天文台のあるグリニッジ・パークだ。

 丘をのぼりつめたところにあるこの天文台は、19世紀、東経、西経のゼロ地点と定められ、金属製のいわゆる「子午線」が地面にはめこまれている。ここを訪れる観光客の多くが、この子午線をまたいで写真撮影。そして“現代の観光客”のここでのもう一つのお決まりは、GPSを使うことだ。スマホ地図上の現在地のピンを確認すると、経度は0度0分0秒にはならない。すぐ近くに「私のスマホナビ、壊れてる?」という説明板があるが、GPSなどが基準にしている「本初子午線」は、この場所から約102メートル東にずれているからだ。

 なるほど〜と確認した後は、敷地内にある建物の中へ。王立天文台で使われた観測機器や、揺れる船内で正確に時間を計るために使われた航海用の時計などの展示のほか、ハレー彗星の発見者で、天文台の2代目館長だったエドモンド・ハレーの功績などもたどることができる。

 駅近くには、食べ物から小物アンティークまで豊富に並ぶヴィレッジ・マーケットがあるから、散策して帰るのも一案。次回は、ロンドン最古のホテルで、アガサ・クリスティーなども訪れていたというブラウンズ・ホテルのアフタヌーンティーへ。