カフェインのとり方|身体に及ぼす影響とは?

写真拡大 (全4枚)

朝の目覚ましや、ランチ後の眠気覚ましにコーヒーを飲む、という方をよく耳にします。けれど、飲みすぎたり飲むタイミングを間違えたりして、夜眠れなくなることはありませんか? 覚醒作用や利尿作用が広く知られる一方で、過剰な摂取による弊害もみられるカフェイン。今回は、そのメリットやデメリット、正しい摂取方法をご紹介します。

目次

カフェインとはカフェインの良い点・注意すべき点カフェイン摂取方法

 

カフェインとは

お茶やコーヒーに含まれる天然の食品成分

カフェインとは、アルカロイドという化合物の仲間であり、コーヒーや茶葉などの食品に含まれる天然の食品成分のひとつです。また、コーヒーや茶葉から抽出されたカフェインは、苦みなどを加える食品添加物として、コーラなどの清涼飲料水などにも使われています。
 
また、このカフェインには、覚醒作用や解熱鎮痛作用があり、眠気や倦怠(けんたい)感、頭痛などに対する効果が期待できるため、医薬品の成分のひとつとして使用されています。

カフェインが多く含まれている食品

カフェインが多く含まれている食品として代表的なものは、緑茶やコーヒーです。主な飲料100mlあたりに含まれるカフェインの量は以下のとおりです。

玉露 約160唸斑磧〔30喟茶 約20咼譽ュラーコーヒー(抽出液) 約60

 

また、市販されているエナジードリンクや、眠気覚まし用の清涼飲料水にもカフェインが多く含まれているものがあります。缶や瓶1本あたりで換算すると、コーヒー約2杯分に相当する商品もあるので、一度に何本も飲むなど、大量にカフェインをとらないようにしましょう。
 
飲料以外にも、ミルクチョコレート(100gあたり約20mg)といった食べ物にもカフェインが含まれているので、食べ過ぎに注意しましょう。

カフェインの良い点・注意すべき点

カフェインが身体に与える影響

カフェインは、眠気を引き起こす睡眠物質「アデノシン」の持つ、神経を鎮静させる働きを阻害します。このことから、カフェインをとることで神経が興奮し、眠気が覚めます。

良い点

覚醒作用

カフェインは、「ノルアドレナリン」という興奮した状態にさせる神経伝達物質の生成を促すなどの覚醒作用があります。この覚醒作用によって眠気を覚まし、疲れを感じにくくさせるのです。

薬の効果を高める

現在市販されている栄養ドリンクや、頭痛鎮痛剤、風邪薬の多くには、お茶やコーヒーに含まれるカフェインを人工的に抽出した「無水カフェイン」が含まれています。カフェインには眠気や疲労、頭の重い感じをやわらげるという独自の作用だけではなく、それぞれの薬の効果を高める働きをします。

運動のパフォーマンスを高める

カフェインには持久力と敏捷(びんしょう)性を向上させる働きがあり、運動のパフォーマンスを高めることでも知られています。運動の1時間ほど前に150咫並僚1圓△燭2〜5咫砲離フェインをとると、疲労を感じさせなくなる、筋収縮を円滑にし、筋肉の機能を上げるなどの効果があります。

集中力や作業能率を高める

カフェインには、記憶や学習、認知などの機能を高める効果があります。カフェインをとると、中枢神経が興奮状態となり、脳が覚醒するため、運動や意欲、快楽といった感情をつかさどる「ドーパミン」や、交感神経を活性化させる「ノルアドレナリン」が放出され、集中力や作業の能率がアップします。

脂肪燃焼を促進

カフェインを多く含むお茶やコーヒーを飲むと、自律神経の働きが促進され、脂肪の代謝を高める効果が期待できます。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2つがあり、そのうちの交感神経が体重や体脂肪の量を調整しています。カフェインをとることによって、交感神経の働きが促進され、食欲の抑制や脂肪燃焼の効果が見込まれます。

注意すべき点

利尿作用

カフェインをとると交感神経が刺激され、腎臓の血管が拡張します。腎臓は血液をろ過して、体内の不要な老廃物を尿として体外に排出する機能をもつ臓器。腎臓の血管が拡張することによって、体外に尿を排出する働きが強まります。そのため、コーヒーやお茶など、カフェインを多く含む飲み物を飲んだ後は、尿意を感じやすくなります。

睡眠の質を下げる

カフェインは、脳で働く睡眠物質「アデノシン」が神経細胞に作用することを邪魔して、眠気を減らし、その覚醒作用によって気分を高揚させます。このような作用により、カフェインを多くとる人は睡眠中の寝返りが多く、ちょっとした雑音でも目が覚めやすくなってしまい、睡眠の質が下がってしまいます。

カフェインの過剰摂取による悪影響

コーヒーなどのカフェインが含まれた飲料は、適量であれば、さまざまな良い作用を身体にもたらしてくれます。しかし、カフェインを大量にとることで中枢神経系が過剰に刺激されると、めまいや心拍数の増加、興奮、不安、震えなどの症状があらわれることがあります。また、消化器官への刺激によって、下痢や吐き気、嘔吐(おうと)などの症状が出ることがあります。

「カフェイン中毒」とは?

カフェインは世界保健機関(WHO)が定める国際疾病分類において、「中毒物」に指定されておらず、依存性や濫用(らんよう)性も認められていません。しかし、長年コーヒーを愛飲していた人が急にカフェインをとることをやめると、次にあげるような「禁断症状」が出てくるという研究結果が報告されています。

カフェインによる「禁断症状」

眠気・・・いねむり、あくびなど仕事上の支障・・・集中力に欠ける、倦怠(けんたい)感いらいら・・・満足感や幸福感の減退社交性の低下・・・親密感やおしゃべりの減少体調不良・・・筋肉の痛みやハリ、熱っぽさ、吐き気など

 

毎日、習慣的にお茶やコーヒーなどのカフェインを多く含む飲料を飲んでいる人が、飲むのをやめる場合は、1週間以上にわたって少しずつ減らしていきましょう。

カフェイン摂取方法

適量を守る

カナダの保健省によると「健康への悪影響がない」と推定されるカフェイン最大摂取量は、健康な大人で1日あたり400咫これはコーヒーなら、マグカップ(237ml/杯)3杯分に相当します。また、妊婦さんの場合は、1日200〜300mg(マグカップ2杯程度)に抑えるよう注意喚起されています。この量を超えなければ、カフェインをとることによるリスクや副作用が生じることは、ほとんどないとされています。

子どものカフェイン摂取量

カナダや韓国の保健機関では、1日当たりの悪影響のない最大摂取量を、子どもの場合、体重1圓△燭2.5唹焚爾板蠅瓩討い泙后4歳〜6歳の子どもの摂取目安量は、コーラなら500mlペットボトル1本、板チョコレート(100g)なら1.3枚程度です。

カフェインをとるタイミング

カフェインはとった後、約30分〜1時間で脳に到達するため、午後の眠気覚ましや、計算力・記憶力のためには、効果を実感したいタイミングの1時間ほど前にとるようにしましょう。一方で、カフェインの覚醒作用によって夜中に目が覚めてしまうことがあるため、眠る前にはカフェインをとらないようにしましょう。

仮眠前

日中の眠気をとるためには、カフェイン自体で眠気覚ましをするよりも、「カフェインをとってから仮眠をする」という方法が効果的です。カフェインが血液中に取り込まれるまでの時間を利用して、仮眠前にコーヒーやお茶を飲むと、目覚めたときにすぐスッキリした状態に入ることができます。

就寝前

カフェインの成分が半分の濃度になる半減期になるまでは、3〜5時間程度かかります。カフェインによる覚醒作用の持続時間を考え、就寝前3〜4時間以内にカフェインをとることは控えましょう。また、カフェインには利尿作用もあるため、就寝前にとると、夜中に尿意で目が覚めてしまいます。
 
スムーズに入眠し、夜中に目が覚める「中途覚醒」を防ぐためには、夜にカフェインをとるのは避けましょう。
 
監修:坪田聡(雨晴クリニック副院長)
 
<参照元>
『カフェインの真実 賢く利用するために知っておくべきこと』
マリー・カーペンター著(白揚社)
『カフェイン大全 コーヒー・茶・チョコレートの歴史からダイエット・ドーピング・依存症の現状まで』
B.A.ワインバーグ、B.K.ビーラー著(八坂書房)
『コーヒーの医学』野田光彦著(日本評論社)
 
▼全日本コーヒー協会「コーヒーと健康」
http://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/health
 
▼全日本コーヒー協会「コーヒー図書館」
http://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/library
 
▼東京都福祉保健局「東京都食品安全FAQ」
http://food-faq.jp.net/modules/faq/?action=Detail&faqid=50
 
▼一般社団法人全国清涼飲料工業会 清涼飲料水Q&A
http://www.j-sda.or.jp/ippan/qa_view.php?id=126&cat=8
 
▼農林水産省「カフェインの過剰摂取について」
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html
 
▼日本フィットネス協会「カフェインと運動」
http://www.jafanet.jp/hnblog/column/2015/04/post-20.html
 
▼農林水産省 食品安全委員会 平成23年3月 ファクトシート
https://www.fsc.go.jp/sonota/factsheets/caffeine.pdf
 
▼エスエス製薬 薬の成分ディクショナリー「無水カフェイン」
http://www.ssp.co.jp/dictionary/anhydrous-caffeine/
 
▼アラクス製薬 カフェインQ&A
http://www.cafecool.jp/caffeine.html
 
▼厚生労働省 「健康づくりのための睡眠指針2014」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf

photo:Getty Images

==== 編集部が1記事ずつ選んだオススメ記事 ====

【完全マニュアル】眠れないときに試したい、3分で眠くなる6つの方法

→眠れない時に眠れる方法をご紹介しています。睡眠を促す食事や入眠儀式など、様々な「寝る方法」をまとめた完全マニュアルです。

【堀江貴文さんが語る】6時間睡眠のススメ!「ムダな時間を徹底的に削る」 ホリエモン流睡眠術

→ホリエモンこと堀江貴文さんの睡眠事情を伺いました。多忙な中でも、6時間の睡眠時間は確保しているという堀江さんの、ムダを徹底排除した生活とは?

わずか1分で眠る方法とは?眠れない時使える3つの呼吸法

→寝付きが悪い原因と、すぐに眠れる3つの呼吸法をご紹介しています。眠れない夜に試して、自分に合う方法を見つけてみてくださいね。

不眠症歴10年の私が、たった1日で「眠れない」を改善した方法

→10年間眠れなかった筆者が、いかにして不眠を解消したのか、実践した方法をご紹介しています。