ミス東スポ2015のグラビアアイドル璃乃

写真拡大

 アイドルグループ「仮面女子」の窪田美沙と、ミス東スポ2015のグラビアアイドル璃乃。そんな2人がキャスティングされているものの、アイドル映画と侮るなかれ。JKビジネスや特殊詐欺、危険ドラッグ、集団ストーカーなどのテーマに挑み、現代のアンダーグラウンドを活写した映画『ベースメント』が、7月21日より渋谷アップリンクを皮切りに、大阪、名古屋にて順次公開される。

⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1364504

『闇金ウシジマくん』、『新宿スワン』、『土竜の唄』をはじめ、裏社会をテーマにした映画は昨今、矢継ぎ早に制作されているが、本作の特徴は何と言っても、低予算であることを逆手に取ったリアルさだろう。登場人物の1人が手持ちカメラで映像ドキュメンタリーを制作するという演出が用いられたことにより、主観カメラの生々しい映像が随所に差し込まれている。とりわけJKリフレのシーンは、都内の実在するJKリフレ店がロケ地として使用され、JKリフレ嬢と客との間で手に汗握るやり取りが臨場感たっぷりと映し出されている。

 本作の監督は、『女子高生ビジネスの内幕』(宝島社)などの著書を持ち、アンダーグラウンドな分野を得意とするルポライターの井川楊枝。作品には普段の取材が生かされている。

 そこでマスコミ試写の上映後、映画内で描かれていた社会事情について尋ねた。まずは、今年7月から都条例が改正され、18歳未満の接客や勧誘が禁止とされたJKビジネスである。

「JKビジネスはこれまでも規制に次ぐ規制だったんですが、今回の条例改正により、完全に息が止められた格好ですね。今年5月ぐらいまでは、援助交際斡旋所みたいなJK散歩店が都内に数店舗あったんですけど、軒並み潰れました」

 取材者ならではのディープな事情が語られる。となると、もはや18歳未満の女子高生が働く店は都内にないのだろうか。

「ただ結局、そういうところで働いていた子たちはまともなバイトなんてできません。そこで、SNSなどを利用した個人援交や、援デリに流れているようです。また、18歳以上の女のコだけを雇用する『合法JK店』の店長に尋ねたところ、今は多くの”リアルJK”が年齢を偽って店に潜り込もうとしてくるようですね。姉の保険証を借りたり、中にはどうやって手に入れたのか知らないけど、偽造の身分証明書を持ってくるコもいるみたいです。しかし、店は18歳未満を雇用していることが発覚すると、営業停止になります。店長は『逆にすごく怖い』ってぼやいていましたね」

◆包括指定後の危険ドラッグの行方は?

 JKと並んで、本作で描かれるのが危険ドラッグの事情だ。

「危険ドラッグは、2013年の包括規制以降、そのリスクに見合わない裏ビジネスになっています。本作では、規制で売り物にならなくなった大量のドラッグをどうやってカネにしようかというエピソードが入っていて、その抜け道が提示されています。結局、その規制というのは日本国内のものなので、じゃあ、海外だと? というのが見どころですね」

 法の穴をすり抜け、ずる賢くカネ儲けしようとする悪党たち。映画『ベースメント』ではそんな姑息な者たちがゾロゾロと出てくるが、作中内における彼らの描かれ方はどこか優しい。

「これまで私が取材した人の中には犯罪者もたくさんいました。自分の仕事は、彼らから裏ビジネスの内幕を聞くこと。最初はもちろん警戒しつつ近寄るんですけど、話を聞いているうちに、『この人、いい人じゃん』と思ってしまう瞬間もある。映画の中でも、ルポライターが、どこに自分の立ち位置を置くのかと葛藤するシーンがあります。現実の世界と同様に、煮え切らない映画になっていると思いますね」

取材・文/日刊SPA!取材班