夫で俳優の船越英一郎との離婚騒動の渦中にいる女優・松居一代が連日アップしているYouTubeチャンネルの動画が注目を集めている。

 その過激な内容もさることながら、芸能界やテレビ業界で話題となっているのが、その動画のクオリティーの高さだ。

 昨今では、人気ユーチューバーたちがテレビ番組顔負けのエンターテインメント性に富んだ映像コンテンツを世に放っているが、今回の松居の動画に関して番組制作会社のスタッフは語る。

テレビ業界も注目する松居の動画のクオリティーの高さ

 「インターネットや動画編集に詳しい人が手伝っているのかもしれませんが、編集の仕方がとても素人とは思えない。松居さんがほぼノーメイクのスッピンで夫婦生活を赤裸々に語る姿も、プロのヘアメイクにバッチリ化粧を施された、いかにも“よそ行き”のタレントたちがばっこするテレビ番組とは違う臨場感にあふれていますよね」

 実際、松居の動画の再生回数はすでに500万回を突破するなど高い関心を集めている。

 芸能人の情報発信の場として古くから用いられていたのが、記者会見だ。

 記者会見は通常、芸能人本人や所属事務所などが主催し、そこにテレビ番組やスポーツ新聞、週刊誌などの記者やカメラマンが取材に訪れることになるわけだが、記者会見という形式には芸能人サイドにとってマイナス要素も多い。

芸能人サイドにデメリットの多い記者会見

 「当然のことながら記者会見では芸能人にとって聞かれたくない質問も飛びますし、会見場を使用する費用などは本人や所属事務所の負担になります」(芸能プロダクションマネジャー)

 そうした中、記者会見に変わる手法として用いられるようになったのが、FAXやホームページ、ブログなどを使って発表する伝達方法だ。

 「FAXやホームページ、ブログなどを使って発表すれば、一方的に自身の主張を伝えることができ、メディアとの直接的なやり取りも避けられる。さらに費用も格安で済むので非常に有難い。ただ、『なんで会見をやらないんだ!』といった問い合わせは来るし、メディア側からの評判は芳しくないですね」

 芸能評論家の三杉武氏は、記者会見とは異なるこの手法の“別のメリット”についても言及する。

記者会見を避けて自身のニュースを金にする芸能人たち

 「ブログで大きな発表をした場合は投稿へのアクセス数がアップするので、結果的にその芸能人や所属事務所が管理するブログ収入もアップします。また、記者会見に比べると情報量が少なく、話題性や注目度が持続するので、次の仕事に活かせるというメリットもある。FAX、ホームページやブログなどのSNSで大まかな内容を発表した後、ゲストとして呼ばれた商品のPRイベントの場などで、あらためてメディア対応するというケースです。この場合、多くのメディアを集められるという商品価値が評価されて通常よりも高いギャラを得ることができるというわけです」

 そして、その最たるパターンとして最近増えているのが、テレビ番組の中での発表だという。

 「どちらかと言うと結婚や妊娠など明るいニュースに多いのですが、レギュラー番組やゲストとして出演する人気番組の中で発表したり、詳細を明かすというパターンです。この場合、出演料を得るのと同時に番組の視聴率にも貢献したということで、テレビ局に貸しを作ることもでき、次の仕事にも繋がる。発表の場となる番組のスタッフや共演者は総じて“味方”なので、変なイジられ方もされませんからね」(三杉氏)

 これらのケースは、いずれも率直に言えば自身のニュースを分かりやすい形で金に換えているわけだが、こうした流れの背景を前出の芸能プロマネジャーはこうボヤく。

 「率直に言えば、この業界が不景気だからです。テレビ番組の制作費が削られている中、出演料も落ちているし、CMギャラも下降傾向にある。音楽配信に比べて実入りのあるCDも売れないし、一部の超大物アーティストを除けばコンサートの動員も落ちている。邦画もお世辞にも好調とは言えません。少しでもお金にしないとやっていられないんですよ」
 
 そのうえで、今回の松居の動画に関してこう感想を明かす。

 「テレビ番組内での発表の唯一のデメリットは他局との兼ね合いです。例えば、複数の番組にレギュラーとしてお世話になっている場合、ある1つの番組で重大な発表をしたら、他のレギュラー番組のスタッフは『なんでウチでやってくれないんだ!』と思うでしょう。味方も作るが敵も作るという意味ではリスクもあるんですが、YouTubeをはじめとした動画配信サービスでの発表なら、そういった業界のしがらみからは解放されます。それに、テレビ番組以上にこちらの意に沿った編集もできますし、収入が直結するという点も魅力です」(同マネジャー)

 昨今では吉本興業をはじめ、大手芸能事務所がユーチューバーの育成に力を入れる動きを見せたり、ライブ動画配信サービス「SHOWROOM」を使ってファンと交流を持つアイドルも増えているが、芸能人がネットの動画で自らニュースを発信する流れは今後も加速しそうだ。

(文責/JAPAN芸能カルチャー研究所)