15日、シャルケの今季2試合目の練習試合の相手は3部パーダーボルンだった。この時期の練習試合の相手としては、3部のチームはかなり強い部類に入る。しかも3部は開幕まであと2週間に迫っており、始動から間もないシャルケよりもコンディションは格段に上だった。試合は1-0でシャルケが勝利したが、1週間前に行なわれた6部のチーム相手の試合(9-1でシャルケが勝利)とは全く感触が違っていた。


シャルケのフォトセッションに参加した内田篤人

 試合前、ウォーミングアップをする内田篤人の様子が少し違って見えた。いつもは攻撃陣がシュート練習などをしている間、内田は右SBに入ることを想定してダッシュをしながら視野を確認したり、クロスを入れたりしている。だが、この日はその視線の向きが逆のように見えたのだ。

 一瞬、こちらの勘違いかと思ったのだが、蓋をあけてみれば3-4-3の中盤の左で起用された。本人としても全くの想定外だった。

「疲れた。左だったしね。しかも俺だけ90分。最後はセンターバックまでやったし。ああ、疲れた」

「疲れた」を連発するのも当然だろう。この日は慣れない左MFに入っただけでなく、GKを含めて全員が交代するなかで、内田だけがフル出場。そして本人の言葉にもある通り、58分を過ぎたあたりからはセンターバックとしてプレーした。すべてがあまりにも想定外だった。

「理由はわからない。監督とも話してないし。話したら答えてくれると思うんだけど、たぶんいろいろなポジションをできるかどうか、見たいんじゃない? 先週、左だった(ダニエル・)カリジュリは今日は右だった。右に入っていたコケは今日はボランチだったし、ボランチの(ヨハネス・)ガイスは今日は最終ラインに入った。そういうところを見ていたんだと思う。で、俺はボランチはできないから、左ができるかどうかを試されたんだと思う。MFで出た前半で、もうちょっとアピールしたかったな」

 左MFに入った前半、内田は相手の右MFを捕まえきれず、ピンチを招くことがあった。攻撃面でも、オーバーラップからのクロスを試みるが、チャンスをつくるには至らない。普段と違う角度、視野でのプレーは味方とかみ合わなかった。

「チームも全然よくなかったけどね。守備が特にうまくいかなかった。センターバックは『止まってろ』と言うけど、(対面する)相手を誰も見てないから離しちゃってるし。監督に聞きにいったら、『テストシュピール(練習試合)だから前に行け』と。思いっきりやって、何ができるかを見たいんだろうね。後半のCBは、まあソツなくって感じ? 試合でやることはないでしょう。シュートブロックとかはできるけど、競り合えないもん。あと15センチ身長があったら別だけど」

 相手によっていくつもの選択肢を用意したいドメニコ・テデスコ新監督にとって、おそらく今は判断材料を集める時期だということなのだろう。その意図を汲んでいるからこそ、内田はこの日の前半のプレーを悔やんだ。とはいえ3部チームを相手に、90分間、プレーできたことはこの日の収穫だった。

「俺に関しては、90分できるかどうかも見ていただろうね。試合が終わったとき、コーチが『どうだった?』って聞いてきたから」

 テデスコは31歳の若き指揮官だ。だが、ずいぶん余裕を持ってこの時期の練習を見ているように見えた。そのことを内田に当ててみると、深く頷いた。

「そうなんだよねえ。結果を出したかったな」

 念のために右膝の具合も聞いてみると、現時点で問題はないとのこと。試合後の取材でのやり取りで、膝のことが話題になること自体、明らかに減っているのも大きな前進だろう。シャルケはこの後、中国遠征を行なう。ポジションを得るための勝負は、帰国後、オーストリアでの合宿からということになる。

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