夫・妻と口をききたくない!!――子供を連絡係にすることの害悪

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一時的な夫婦喧嘩や夫婦仲が冷え切っている場合などで、子供を連絡係にする家庭が存在する。「パパにご飯できたって言ってきて」など、自分が口をききたくないがために行ってしまいがちな行動だが、「教えて!goo」の「子供を連絡係にすること、どう思う?」という質問には、さまざまな意見が寄せられていた。

■連絡係にされた子供の心理状態は?

子供を連絡係にした場合、子供にどのような影響を及ぼすと考えられるだろうか?ふぃ〜めぇる・みしま代表、夫婦問題カウンセラーの中西由里さんにお話を伺った。

「夫婦喧嘩の場合、子供を味方につけた方の親は、子供との距離が近くなりすぎて過保護になったり、自分から離れていかないように、同情や憐みを使って気を引こうとすることがあります。子供を味方にできなかった方の親は、子供への関心が薄れたり、可愛く思えなくなることもあります。いずれにしても、子供にとっては負担になります」(中西さん)

パパもママも大好きな子供にとって、どちらか一方に協力すれば、もう一方を裏切ったような気持ちになり、自分を責めてしまうのだという。

「思春期になれば、子どもは自分なりの価値観で親を裁くこともあります。裁くといっても『イヤならさっさと別れればいいのに』とか憎まれ口を叩くだけですが、言葉とは裏腹に心の中では両親の喧嘩に心を痛めています」(中西さん)

そもそも夫婦喧嘩は良くないと思っている人が多いが、パートナーと深く関わろうとする過程において衝突はごく当たり前に起こるもの。相手のことをより深く理解するチャンスでありコミュニケーション手段でもあるので、いたずらに怖れたり、避けたりする必要はないのだとか。

■家庭内の空気が張り詰めていると、子供が罪悪感を抱きやすくなる

夫婦仲が完全に冷え切っている場合に子供を連絡係にすると、さらに子供を深く傷つけてしまうことも。

「家庭内の空気が張り詰めていると、そこで育つ子供は本来の自分を出せず、何かしらの役割を演じるようになっていきます。優等生になって親を喜ばせようとしたり、外で問題行動を起こすことで気を引こうとしたり、ピエロのようにおどけたふるまいをすることで場を和ませたり……。いずれにしても、本来の自分からそれた生き方をしているのは、苦しいものです」(中西さん)

両親の仲が冷え切っていると、子供は「自分のせいではないか」という罪悪感を抱きやすくなり、「愛し合っていない両親から生まれた自分は、愛されない存在だ」と思い込んでしまうことがあるのだという。そして、子供時代の経験は大人になってからの生き方にも大きな影響を与えてしまう。

■こんな言動はNG!対策を聞いてみた

夫婦喧嘩や冷え切った夫婦関係を隠す人もいるが、どんなに隠したところで、子供は両親の間に漂う不穏な空気を察知する。自分が感じたことを無かったことにされてしまうと、何が起こっているのかわからずに不安になるだけでなく、子供は自分の感覚を信じられなくなるのだという。

「夫婦喧嘩の真っ最中は心に余裕をなくすものですが、『子どもは口出ししなくていいの!』と突っぱねたりせず、不安な気持ちを受け止めてあげようと努めてください。喧嘩しているところを見せてしまったなら、仲直りする様子も見せてあげた方がいいと思います。仲直りする様子を見ないで育った子は、怖い部分しか見ていないので『喧嘩=関係の破綻』だと思い、その後の人生で人との衝突を怖れ、喧嘩を回避するために相手の言いなりになる可能性があります」(中西さん)

また、「本当は離婚したいけど子供がいるから別れられない」と思っている人は、実は全く子供のためになっていない可能性を考えてみてはいかがだろうか。

「親は、子供にとって幸せなパートナーシップのお手本となるのが望ましいですが、どう頑張っても上手くいかなくなることもあります。子供は親が思う以上に、親を助けたい気もちを持っていますし、親の幸せに責任を感じています。両親がそれぞれの幸せな姿を見せられるような選択をする方が、必要のない罪悪感で苦しむことがありません」(中西さん)

いずれにせよ、連絡係にされた子供の胸中は、大人が思っている以上に複雑なもの。その後の人生にも影響することがあることは覚えておこう。

(酒井理恵)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)