テスラモータースは赤字を抱えながらも株価は上昇を続け、時価総額は一時GMを超えた。その原動力となったのが「モデル3」(航続距離345km)の生産販売の発表だった。3万5千ドル(約390万円)で、いわばテスラ普及版と言えるものだ。その発売は今年中と言われる。

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 そこで心配になるのが整備体制だ。整備体制が手薄と言われていたところに、普及車が販売されれば整備が出来なくなる心配があった。これまで概ね無難に経過していた整備だが、その仕組みは既にIoTを取り入れている。テスラの車は全てネットに繋がれており、故障が発生すると90%は遠隔操作で原因を突き止めておけるので、先行して部品調達が出来、サービスカーでの出張サービスにより整備可能なものなのかもしくは、サービス拠点でリフトアップが必要なものか、などが、判断が出来ているようだ。

 これらの環境の整備(サービスカー350台、サービス拠点250)で、従来のサービス工場の1/3の広さで対応が出来、サービス拠点に車を持ち込む必要性が80%削減できて、4倍の効率アップがなされると言う。

 このサービス方法は、実は、すでに日本の建設車両のコマツ(コマツ製作所)で実施されており、サービスカー、サービスマンの効率を上げることに成功している。余談だが、コマツがネットにつなぐ方法を考えたきっかけは「盗難防止」であったそうだ。現在、コマツの車両は世界のどこにいるのか?稼働状況、整備の必要性など、全て本社で情報を得ることが出来る。

 この方法のさらに良いところは「故障していないとき」でも「故障の可能性を察知して予防できる」ところにある。自動車全車に適応できる時が来れば「車検・定期整備」の必要性がなくなることが考えられる。アメリカでは車検は元々ないが、日本のディーラーにとって死活問題となろう。

 テスラは中国に合弁で1兆円の投資を行うようだ。この技術体系が中国本土で普及すると、従来の自動車各社は後れを取ることになる。日本国内ではディーラーは各自動車メーカーの傘下にあり、整備は重要な収入源となっている。しかし、整備方法は旧態としており、半世紀前の車よりも品質が落ちているがごときの説明で、ユーザーから余計な整備代金をせしめているのが実態だ。

 数年以内に、ディーラーもIoTの技術革新が始まり、人員削減と閉鎖に追い込まれるところが出てくるだろう。またサービスカーの導入で、自宅で整備できる環境を作り出したメーカーが生き残るのであろう。テスラのサービスカーには「お茶と茶菓子」が装備されているそうだ。

 テスラに置いて行かれるな!