「正直に生きる」ってどういうこと? ハッピーに暮らすために考えること

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ヨガの教えの一つ「正直」

ヨガの教えの中に、「ヤマ」=人とのつき合い方、「ニヤマ」=自分に対しての行いという項目があります。これは、それぞれの中に5つずつの教えが入っていて、「正直になる」というのは「ヤマ」の項目です。この言葉、とてもシンプルで幼児のころから教わるようなこと。でも、考えると、大人になるほど、守るのが難しくなってくることでもあります。誰もがこうありたいと思っているのに、何かどこか引っかかってきませんか?

正直であるということは、どういうことでしょうか?まず嘘をつかない、ということです。では、嘘をつかないというのはどういうこと?それは誰かをだましたり、あざむいたりしないことです。ただ、普通に暮らしていたら、なかなか人をだましたり、あざむいたりすることはないですよね?いつも気持ちよくあるためには、そんなことしていられません。後ろめたい気持ちを抱えて日々を過ごすのなんて、絶対避けたいことです。

でも、あえて「教え」に入っているというのは、それだけ人は「正直」になりきれていないからなのです。

一番、嘘をつくのは体?心?脳?

嘘は人にはつかないかもしれませんが、自分には結構ついているかもしれません。「ヤマ」は人とのつき合い方なので、少し外れるかもしれませんが、ヨガとは「気持ちいい気持ちで暮らす」=ハッピーでいること、が目的なので、対自分も考える対象。大事な案件です。

自分についている嘘とはどんなものでしょうか?それは例えば、体がもう限界と思っているのに、まだ頑張れると心が「我慢」している時。この人ともうつき合いたくないのに、脳が「つき合いを解消すると損をするから」と心の声を聞かない…。そんな時は、体、心、意識(脳)がバラバラになってしまっています。これらは本来一つのものなので、バラバラに動いてしまった時、必ずどこかにひずみが起こっています。例えば、体に発疹がたくさんできる、表情が動かなくなる、声が出なくなる、感情が鈍くなる…などです。いくらでも、誰にでも起こりがちなことではないですか?ストレスが起こすことはこんなことですよね?

先日、臨床心理士の方に、ストレスを受けた人が最初に起こす状態は「言葉を失う」こと、その次に「体に不調が出てくる」、それから「暴力など態度に出る」…と続くのだと聞きました。

もし自分に嘘をついていたら、これらのどれかが当てはまっているかもしれません。

「正直でいる」とはどういうことなのか

正直でいるのは、社会人としては結構簡単なことではないかもしれません。思いのままにならないことなんてたくさんあります。だからと言って、自分の意にそぐわない、でも「嘘はつきたくない。だから辞めます」という思考だと発展性はありません。社会人として正直であることは、自分のためであり、人のためであることが大事です。それも利益という側面でなくて思いやりやいたわりという側面で、です。

そこで意識してみたいのが「正直でいる」とはどういうことなのか、を考えることです。子供じみたわがままからではなくて、思いやりを持って最良の選択をするために「どう正直であるべきか」を考えるのです。大事なのは、心からの声を、誠意や思いやりに則ってどう伝えるか、です。

人によって「正直」は異なるはずですが、自分と、周囲の関係性の中での最良を探してみてください。ヨガは「ハッピーになること」が目標。それは自分で自分を内観し、答えを見つけることから始まります。ポーズをとることとは別のアプローチ。試してみてください。

 

 

ライター:大嶋朋子
『Yogini』デスク。ヨガの他、自然療法、心理などを幅広く学ぶ。ヨガ講師を作るトレーニングで「感覚から言葉に」というクラスを受け持つ
写真:istockphoto