米国の市場調査会社eマーケターが、このほどまとめたソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用実態に関するリポートによると、SNSの世界利用者数は今年、24億6000万人になり、昨年の22億8000万人から約8%増加する見通しという。

 SNSの利用者数は世界人口の3分の1を占めるまでになり、世界インターネット利用者数の71%に達すると、同社は見ている。

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2021年には30.2億人に

 eマーケターはこのSNSの統計に、米スナップの「Snapchat」や、中国テンセントホールディングス(騰訊控股)の「WeChat(微信)」といった人気メッセージングアプリを含めていない。しかしフェイスブックが先ごろ、その世界利用者数が20億人を突破したと発表するなど、今やSNSは国家を超える規模の巨大コミュニティーになっている。

(参考・関連記事)「フェイスブック、利用者数が20億人に到達」

 そして、SNSの世界利用者数は今後毎年、ほぼ5〜6%の伸び率で増大し、2021年には30億2000万人に達するとeマーケターは予測している。

メッセージングアプリとの競争激化

 こうした中、フェイスブックやツイッターをはじめとするSNSは、メッセージングアプリと利用者の奪い合いをしており、その競争が激化している。

 例えば、フェイスブックは自社サービスに、ライバルのSnapchatにあるような機能を躊躇することなく取り入れている。Snapchatには、投稿した写真や動画が24時間で消える「Stories(ストリーズ)」という機能があるが、フェイスブックも昨年、同社傘下のサービスで同じものを導入し、今年3月にこれをフェイスブックにも取り入れた。

 ただ、eマーケターによると、こうした動画などのサービスは、既存利用者を保持するといったうえで一定の効果があるものの、新規利用者の獲得といった点ではあまり効果が表れていないという。

牽引役は新興国市場の初めてネットを利用する人々

 というのも、SNS利用者の伸びは、動画配信のための通信インフラが以前から充実している、北米や西欧などの先進国市場ではなく、今、通信インフラが整備されつつある地域によって支えられるからだ。

 その地域とは、アジア太平洋地域、中南米、中東、アフリカ。これらの地域ではスマートフォンも手頃な価格で入手できるようになっており、初めてインターネットを利用する人が増えている。そしてSNS利用者の伸びは、こうした人々によって支えられると、eマーケターは予測している。

 なお、フェイスブックやツイッターといった米国発のSNSは、中国で遮断されており、今後も同国での伸びは期待できない。その一方で、同国には、新浪の「Sina Weibo(新浪微博)」といった独自のSNSがあり、これらの利用者は引き続き伸びると、eマーケターは見ている。中国ではとりわけ45歳以上のSNS利用者が増えていると、eマーケターは報告している。

筆者:小久保 重信