2017-0718
朝から夕方までの就業時間中、唯一まとまった長さの休みが取れるのが昼食を食べる時間も含めたランチタイム。その名の通り昼食を取るのはもちろんだが、ちょっとした休息を取る、気分転換を図るなど、午前中までの働きの疲れをいやし、午後からの就業に備えて鋭気を養う時間でもある。そのランチタイム時間に、就業者達はどの位の時間を費やして食事をこなしているのだろうか。サラリーマンのこづかい事情を中心に活動様式を探る、新生銀行の定点観測的調査報告書「サラリーマンのお小遣い調査」の最新版をもとに、その謎(!?)に迫ることにする(【発表リリース:男性会社員のお小遣いは過去2番目に低い金額-「2017年サラリーマンのお小遣い調査」結果について】)。

女性は男性より8分長いお昼ご飯の時間


今調査の調査要件などは先行解説記事【2017年のサラリーマンこづかい事情】にある。そちらを確認のこと。今記事では追加調査要件である女性社員についても取り上げているが、女性は男性会社員の調査数のほぼ3/4(789人)であるものの、年齢階層別の均等割り当てなど他調査方法は男性社員と同じ。年齢配分比率などの点で差異はほとんど無い。

まずは昼食にかける平均時間。これは純粋に食事をする時間であり、昼食用として企業から用意されている、勤務日のお昼休憩の時間(ランチタイム、お昼休み)を意味しない。

↑ 昼食にかける平均時間(勤務日、分、2017年)
↑ 昼食にかける平均時間(勤務日、分、2017年)

男性は大体20分強。意外なことに年齢による差異がほとんど出ない。健康療法的意味合いから、歳を経るほどゆっくりと時間をかけて昼食を取るイメージはあるが、実態としてはそうでもない。

一方女性は男性と比べて8分ほど長く約30分。これは後述するように、女性が多分に昼食を単なる食物の摂取に留まらず、コミュニケーションの機会としての認識があり、その分長い時間が必要なのだと考えられる。また、食事そのものを味わいたいとの、グルメ志向も強いのだろう。実際、ランチタイムの時間区分のうち、50分超の回答を抽出すると、男性よりも女性の方が多く全体で3割前後を計上している。

↑ ランチタイム(勤務日)にかける平均時間(50分超の人)(2017年)
↑ ランチタイム(勤務日)にかける平均時間(50分超の人)(2017年)

他方、男性は50分以上の時間をかけている人は2割足らずで、50代でも2割程度でしかない。

ランチタイム、食事以外は何してる?


ランチタイムの過ごし方について、食事(を兼ねたコミュニケーションも含む)そのもの以外の行動を、複数回答で尋ねたのが次のグラフ。男性年齢階層別は全層で上位項目が「インターネットの閲覧」「昼寝や休息」「仕事の続き・しながら」が占めており、順位も変わらず。行動様式の普遍化が見て取れる。

↑ ランチタイムの過ごし方(勤務日、ランチタイムを取る人、2017年)
↑ ランチタイムの過ごし方(勤務日、ランチタイムを取る人、2017年)

男女共もっとも多くの人が行っているのは「インターネットの閲覧」。男性は51.2%、女性は52.3%。使用機種は限定していないので、パソコン以外に携帯電話(スマートフォン含む)も多分に含まれるのだろう。お昼休みはスマホでネットにアクセスは、男女とも共通の過ごし方な次第。

変動があるのは第2位以降。まず男性に限ると「昼寝や休息」「仕事の続き・しながら」の順で続いている。歳を経ると「昼寝や休息」の回答率はおおよそ上昇を見せているが、これは歳と共に時間の割り切りもしっかりできるからかもしれない。

他方女性は男性の第2位・第3位項目を振り切る形で「同僚とのお喋り」「メール」が上位に付く(40代でかろうじて「昼寝や休息」が「メール」を上回る程度)。男性もこれらの行為に時間を割いてはいるが、優先順位は低い。女性はランチタイムを休み時間と割り切り、コミュニケーションに没頭しているのが分かる。ソーシャルメディアの利用をどの回答に充てたのかは回答者の判断次第だが、想定され得る選択肢「インターネットの閲覧」「メール(ダイレクトメールからの連想)」双方共高い値を示しており、いずれにせよ納得のいく動きではある。

食事そのものですら多分に同僚などと対話を楽しみ、それゆえに男性よりも長い時間となる。食事以外の時間も、昼食時間を他人とのコミュニケーションに没頭する。女性社員はある意味、世渡り上手で時間の切り盛り・割り切りに長けているとも表現できよう。



あくまでも今件データは平均的な会社員像によるもので、職種による差異も多分にある。とはいえ、就業者のお昼どきの姿形、ランチタイムへの考え方が透けて見え、非常に興味深い。特にランチタイムにおける食事そのもの以外の過ごし方で、ここまで男女間ではっきりと差が見えたその内容は、納得させるものがある。1年や2年でそれほど大きな差異が生じるとは思えないが、来年もまた同項目に関する調査結果を公開してほしいものだ。

蛇足ではあるが、ランチタイムの平均時間取得の際に用意されている選択肢「普段はランチタイムをとらない」人の割合は次の通り。

↑ ランチタイムを取らない(2016年)
↑ ランチタイムを取らない(2017年)

元々少数であることからばらつきが生じているが、大よそ女性よりも男性の方が多い。男性50代は22人に1人がランチタイムを取らないと回答している。健康的な理由か、就業時間の都合によるものか、それとも金銭的な問題か。理由までは分からないが、考えさせられることは多い。