何かのサービスに申し込む時、必ず契約条件に同意を求められるが、その全文を読んでいる人はどのくらいいるだろうか。

おそらくそれを読まなかったため、イギリスでは2万2000人が、無料Wi-Fiと引き換えに1000時間の社会奉仕活動に従事するという契約を結んだ。

活動には公共トイレの掃除や、歩道のチューインガム除去、詰まった排水溝掃除などが含まれている。

1000時間といえば、1日1時間でも約2年9カ月かかる計算だ。

イギリスのWi-Fiプロバイダ

こんな変わった条件を契約書につけ加えたのは、イギリス・マンチェスターを拠点とするWi-Fiプロバイダ「Purple」。

同社はレゴ・ランドや、ピザ・エクスプレス、アウトバック・ステーキハウスなどで、無料でWi-Fiを提供するホットスポットを運営している。

同社によると、「無料Wi-Fiに申し込むユーザーが契約条件にあまりにも無頓着なので」警告の意味を込めてこの条件をつけ加えたとのこと。

本気で契約者にトイレ掃除をさせる気ではないようだ。

ネット閲覧履歴が収集されている

「Wi-Fiユーザーは、無料Wi-Fiを使う事で自分の個人情報がどの程度利用されるのかを知っておく必要があります。それについては契約条件に書いてある」

Purple社のCEOであるGavin Wheeldon氏はこう言う。

「ところが、ほとんどの人がそれを読んでいません。今回の私たちの『実験』では、社会奉仕活動が明らかにユーザーにとって不利であるにもかかわらず、多くの人がチェックボックスに印をつけて同意ボタンを押しているんです」

無料Wi-Fiでは、使用中の個人のウェブ閲覧履歴がデータとして収集されているそうだ。

気がついた人に賞を

Purple社は、2週間前に追加されたこの理不尽な社会奉仕条件に気づいてクレームをつけてきた人に、報奨を与えている。

だが、これまでにたった1人しかクレームをつけていないという。