香港メディアの東方日報は、就任時の宣誓に問題があったとして資格喪失の判決を言い渡された議員4人が、弁護士費用の支払いや議員報酬の返却など金銭面の負担で「いつ破産してもおかしくない」と報じた。写真は香港の旗。

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香港メディアの東方日報は17日、就任時の宣誓に問題があったとして14日に資格喪失の判決を言い渡された議員4人が、弁護士費用の支払いや議員報酬の返却など金銭面の負担で「いつ破産してもおかしくない」と報じた。4人は中国政府や香港政府との強い対決姿勢を示してきた。関係者の1人は6月に来日した際、政治活動にとって裁判が金銭面でも大きな脅威になっていると説明した。

香港の議会に相当する立法会では当選した議員が就任する際に、定められた宣誓文を読み上げることになっている。香港政府は2016年9月に実施された選挙で当選した議員6人に対して、同年10月に行われた宣誓に問題があったとして、議員資格の喪失を求める裁判を起こした。

このうち、宣誓時に「香港は中国ではない」と書かれた旗を広げるなどした梁頌恒と游●禎(●=草冠に惠)の両議員は16年11月に資格が取り消された。

さらに梁国雄、羅冠聡、劉小麗、姚松炎の4議員も、宣誓文を1文字1文字区切って読み上げたり、宣誓の前後に民主化を求めるスローガンを叫んだりしたとして、香港政府から議員資格の喪失を求める裁判を起こされていた。裁判所はこの4人についても宣誓の時点で議員資格を失ったとの判断を示した。

東方日報は、14日に資格喪失の判決を言い渡された4人について、弁護士費用などで少なくとも1人当たり300万香港ドル(約4300万円)、議員報酬の一部返却で少なくとも200万香港ドル(約2900万円)の支払いが必要になるとの見方を示し、計500万香港ドル(約7200万円)を用意できなければ、「いつ破産してもおかしくない」と論じた。

判決で議員資格の喪失を言い渡された6人は「本土派」、「自決派」などと呼ばれ、「香港と中国は別の存在」と強調する点に特徴がある。この場合の「本土」とは「香港人にとっては香港こそが本土。中国ではない」との主張を意味する。「本土派」などには親中派との政治的駆け引きや譲歩に嫌悪感を示す特徴もあり、中国共産党や中国政府にとっては従来型の「民主派」以上に危険な存在ということになる。香港政府は中国側の意向を受け入れざるを得ず、議員6人の資格を喪失させる裁判を起こしたと考えてよい。

14日に判決を言い渡された羅冠聡氏は、2016年4月に結成された自決派政党の香港衆志(デモシスト)の主席(党首)。同党副秘書長の周庭氏は6月に訪日して東京大学駒場キャンパスで開催されたトーク・イベントに出席した際、香港政府に起こされた裁判で巨額の費用がかかると述べ、政府側による訴訟攻勢が発足して日の浅い政党にとって金銭面でも大きな脅威になっている実情を紹介した。(翻訳・編集/如月隼人)