駅や空港、カフェなどで無償で提供されている公衆無線LAN(Wi-Fiスポット)サービスは、モバイル回線がない状況でもインターネットに接続できるので非常に便利なサービスです。しかし、無料のWi-Fiスポットサービスの利用規約をほとんどのユーザーが読むことなく「利用規約」に同意して、サービスを使っているという実態が実験から明らかになっています。

22,000 people willingly agree to 1,000 hours of community service in return for WiFi access

https://purple.ai/purple-community-service/

Wi-FiスポットサービスのPurple WiFiが、無料のWi-Fiサービスを提供する社会実験を行いました。この実験では、Wi-Fiを無料で利用できる条件として、

・公園の犬のフンなどを清掃する

・野良猫や野良犬を抱きしめてあげる

・下水道の「詰まり」を手作業で解消する

・地域の祭り・イベントの簡易トイレを清掃する

・カタツムリの存在を分かりやすくするために殻に塗り絵をする

・道路のチューインガムを剥がし取る

というような「特別な条件」が課せられていました。しかも、以上のボランティア活動は「最大1000時間行うこと」という非常に厳しい付帯条件があり、たいていの人であれば、たとえ無料でWi-Fiを使えるとしても利用に躊躇するような内容でした。

Pupleが実験で用意したスポットWi-Fiサービスには、一般的なサービスと同様に「利用規約を読んで、同意する場合は『同意をクリックする』」という形で、条件の同意が求められていましたが、約2万2000人が同意してWi-Fiの利用を始めたとのこと。利用規約について疑問やクレームがある場合は、申し立てをできる箇所が用意されていましたが、2週間の実験期間に利用条件についてのクレームを出した人はわずか1人で、割合としては0.0045%という、ほぼゼロに等しいものだったそうです。



もちろん実験ということで、利用規約に同意した人に対して最大1000時間のボランティア活動は要求されませんでしたが、スポットWiFiサービスを利用するほとんどの人が利用規約を読まずにサービスを利用している実態が浮き彫りになりました。

EUでは個人情報の保護を目的に、ユーザー情報を利用する場合、ユーザーに対して「明確な同意」を求めることをサービス提供者に要求するGeneral Data Protoction Regulation(GDPR)が2018年5月25日に施行されます。GDPRの施行に向けて、Purple WiFiはユーザーにサービス内容をより理解しやすくするために、これまで1600語で書かれたプライバシーポリシーを260語にまで削減するなど、サービス改善に努めているそうです。