相次ぐ再生医療に関係する法令違反(画像は生命科学研究所ウェブサイト)

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厚生労働省は2017年7月14日、衛生検査所の運営や遺伝子検査などを提供する企業、生命科学研究所(東京都千代田区)が、がんの治療に用いるとして人の血液から「樹状細胞」という細胞を培養していたとして、6月12日付で同社に細胞培養の一時停止を命じたと発表した。

加工した細胞は都内の病院を介して18の医療機関に提供されていたことも確認されており、健康被害が発生していないか確認を進めているという。

メーカーは「コンプライアンスならびに法的意識の欠如」

厚労省によると、人の血液などから細胞を培養する行為は再生医療の安全性と品質を確保するために「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」によって「特定細胞加工物の製造」とされており、製造にあたって事前に同省に対し届け出を提出し、許可を得る必要がある。

しかし、生命科学研究所は届け出を提出することなく、全国にある18の医療機関から患者の血液を集め「樹状細胞」という細胞を培養。その後、医療法人社団博心厚生会「アベ・ 腫瘍内科・クリニック」内の細胞培養加工施設「アベ・腫瘍内科・クリニック細胞加工センター」を経由して各医療機関に提供していたという。

同社はウェブサイト上で法律を理解しないまま特定細胞加工物の製造を継続していたと認めており、「社内におけるコンプライアンスならびに法的意識の欠如に他なりません」とコメント。謝罪文を掲載している。

提供を受けていた医療機関は「社会医療法人北斗 北斗病院(北海道帯広市)」「康安外科内科医院(青森県弘前市)」「医療法人社団かいしん会 ますなが医院(埼玉県富士見市)」「医療法人社団茉悠乃会 船橋ゆーかりクリニック(千葉県船橋市)」「医療法人社団博心厚生会 アベ・腫瘍内科・クリニック(東京都千代田区)」「健康増進クリニック(東京都千代田区)」「医療法人社団 健若会 赤坂腫瘍内科クリニック(東京都港区)」「医療法人社団啓神会 Ai クリニック(東京都渋谷区)」「岡本病院(東京都豊島区)」「澁谷在宅クリニック(神奈川県横浜市)」「医療法人社団ホスピィー 浦田クリニック(富山県魚津市)」「医療法人 中島医院(長野県長野市)」「希望クリニック(愛知県名古屋市)」「医療法人仁善会 田中クリニック(大阪府大阪市)」「医療法人社団アシダメディカルパートナーズ あしだメディカルクリニック(兵庫県丹波市)」「福田内科クリニック(島根県松江市)」「医療法人花葉会 船塚クリニック(宮崎県宮崎市)」「統合医療センター クリニックぎのわん(沖縄県宜野湾市)」。