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音楽ブロガー・レジーが、「ミュージックステーション」の放送内容を基に最新のJ-POP事情についてお届けする連載「月刊 レジーのMステ定点観測」。6月のMステは通常の1時間プログラムが4回(2日、9日、16日、23日)、さらに30日に2時間スペシャルが放送される盛り沢山な内容でした。前後編でお届けする今回、まずはテレビ番組らしい派手なコラボの話題からどうぞ。


 


Mステだからこそのコラボ(1):MONDO GROSSO vocal by 満島ひかり


16日の放送に出演したMONDO GROSSOこと大沢伸一。6月7日に14年ぶりのオリジナルアルバム『何度でも新しく生まれる』では乃木坂46の齋藤飛鳥など意外性のあるボーカリストをフィーチャーし、大きな話題を呼んでいます。


そんな作品において特に注目を浴びていたのが最近は大物女優としての貫禄も出てきた満島ひかり。元々はFolderのメンバーとしてデビューしてその後もFolder5のメンバーとして活躍、最近では黒柳徹子の半生を描いたドラマ「トットてれび」でFolder時代からの盟友・三浦大知が扮するチャップリンとともにミュージカル調のステージをこなしたり、ドラマ『カルテット』では松たか子、松田龍平、高橋一生とともにDoughnuts Holeとして「おとなの掟」を歌ったりと音楽寄りの活動も目立ちつつあります。


そんなタイミングで彼女をボーカルに迎えるあたりにMONDO GROSSOというブランドの持ついまだ錆びつかないセンスを感じますが、そのふたりがまさかのMステ出演と相成りました。チャートのメインストリームとは異なる尖った存在をさらっと包摂してしまうのが直近のMステの面白さですね(こういった大胆さは音楽業界が元気だった90年代のMステよりも増しているのではないでしょうか?)。


この日は満島ひかりにとっては16年ぶりのMステ出演だったとこのことで、タモリから「あの頃は15歳だったの」と振られると、「あの頃グループの中では短パン担当で、恥ずかしい思い出しかないです」とコメント。


ステージでは大沢のベースとストリングスセットをバックに歌を披露しましたが、特にすごかったのは曲の後半。ボーカルが一度なくなるパートで繰り出された優雅でしなやかなダンスは、ゆっくりした動きながらもその目線の向け方や表情の作り方と相まって迫力十分。思わず鳥肌が立ってしまうような素晴らしいパフォーマンスでした。ステージ終了後、ふたりでお辞儀をした後に見せたお茶目な笑顔も良かったです。




Mステだからこそのコラボ(2): Dungeon Monsters


同じく16日に出演していたのがDungeon Monsters。フリースタイルラップのブームを巻き起こしたテレビ番組『フリースタイルダンジョン』にモンスターとして出演している有名ラッパーたちが組んだユニットです。


7人のラッパーがコラボした楽曲「MONSTER VISION」がiTunesでチャート1位を獲得するなど大ヒットとなっていることを受けてのMステ登場となりました(一部メンバーは同じ日に別のライブがセッティングされていたなかでのMステ出演となるなどいろいろバタバタだったようですが……)。


普段はアンダーグラウンドで活躍する面々がMステのトークセットにずらりと座っていたり、また『フリースタイルダンジョン』における「大ボス」でもある般若が番組のエンディングで関ジャニ∞の面々と肩を組んで並んだりしているさまはなかなか異様ではありましたが、先月の連載のDragon Ashに関するパートや先ほどのMONDO GROSSOの項でも書いた通りこういう光景を作ることこそがMステの果たすべき役割のひとつなのではないかと思います。


もっとも、いざステージが始まってしまえば「Mステが」「アンダーグラウンドが」なんて区分けは関係なくいつも通りのパフォーマンスを展開した7人。T-Pablowは自身のパートの一部を「Mステ」に変更するなど、サービス精神も旺盛でした。メインでラップするメンバーが変わるたびにそのラッパーの名前がテロップで表示されるという番組サイドの丁寧な演出も良かったです。


ちなみにこの日は『フリースタイルダンジョン』の主宰者でもあるZeebraも7人と一緒に出演していましたが、トークパートでは「バトルだけじゃなくて曲がやばいんだぞってのも見せたい。我々ヒップホップもMステから遠ざかってしまって……10年くらい呼んでいただけなかった」なんて話をしていました。「フリースタイルダンジョン」のブームを経て日本のラップとお茶の間の距離感が今後どうなっていくのかとても楽しみです。


MONDO GROSSOとDungeon Monstersが同時に出演した16日のMステは、国民的な音楽番組でありながら攻める姿勢を忘れないという今のMステのスタンスをわかりやすく表したものでした。Mステに『フリースタイルダンジョン』、さらには『関ジャム 完全燃SHOW』と、メジャーなものからコアな場所まで、音楽番組はテレビ朝日ひとり勝ちの様相を呈してきていますね。



[前編]はここまで。[後編]では6月のMステにソロで登場した方々についてお届けしたいと思います。7月19日(水)の配信をお待ちください!


TEXT BY レジー(音楽ブロガー/ライター)


 


【2017年6月2日放送分 出演アーティスト】

Little Glee Monster「だから、ひとりじゃない」

西島隆弘 & 宇野実彩子「Beauty and the Beast」

乃木坂46「スカイダイビング」

A.B.C-Z「テレパシーOne! Two! 」

平井 堅「ノンフィクション」

菅田将暉「見たこともない景色」


【2017年6月9日放送分 出演アーティスト】

AKB48「願いごとの持ち腐れ」

秦 基博「ひまわりの約束」

Kis-My-Ft2「PICK IT UP」

AI「最後は必ず正義が勝つ」

E-girls「Follow Me」「E.G. summer RIDER」「DANCE WITH ME NOW!」

KEYTALK「黄昏シンフォニー」

THE ORAL CIGARETTES「トナリアウ」


【2017年6月16日放送分 出演アーティスト】

GENERATIONS「空」

水谷千重子&春澪「抱いてフラ・フラ」

関ジャニ∞「今」

岡崎体育「Natural Lips」

MONDO GROSSO vocal by 満島ひかり「ラビリンス」

Dungeon Monsters「MONSTER VISION」


【2017年6月23日放送分 出演アーティスト】

ジャニーズWEST「おーさか☆愛・EYE・哀」

昆 夏美&山崎育三郎「美女と野獣」

ゆず「カナリア」

SEKAI NO OWARI「RAIN」

E-girls「Love ☆ Queen」

嵐「つなぐ」


【2017年6月30日放送分 出演アーティスト】

MUSIC STATION 2時間SP

欅坂46「不協和音」

TWICE「TT -Japanese ver.- 」

EXILE THE SECOND「Summer Lover」

Hey! Sy! JUMP「Precious Girl」

関ジャニ∞「今」

DEAN FUJIOKA「Unchained Melody」

原田知世「時をかける少女」