吹き替えに初挑戦した蓮佛美沙子

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 63年にわたり在位したイギリスの女王ヴィクトリアの愛と葛藤を描いた歴史ドラマ「女王ヴィクトリア 愛に生きる」の試写会が7月18日、東京・渋谷区のNHKで行われ、日本語吹き替えを担当した女優の蓮佛美沙子が会見に出席した。吹き替え初挑戦となった蓮佛は「元々声だけの表現に苦手意識がありましたが『ここで逃げたらダメだ!』と自分を奮い立たせました。(吹き替えを担当した)ヴィクトリアを“生き抜けた”という実感はあります」と明かしていた。

 1837年、大英帝国が栄華を極めた時代。父を早くに亡くし、ドイツ人の母の影響で閉鎖的な環境で育ったヴィクトリアは、18歳という若さでの即位に戸惑いながらも、女王らしく振る舞おうとする。周囲にはなかなか認められず、孤独な思いを深めていくが、やがて運命の男性アルバートと出会い、恋に落ちる。周囲の大反対を押し切って結婚したヴィクトリアが、次第に国民の信頼を得ていくさまを描く。BBCドラマ「ドクター・フー」シリーズで知られる若手俳優ジェナ・コールマンがヴィクトリアを演じている。

 「勉強になることばかりだった」と収録を振り返った蓮佛は、「どうしても自分の声が棒読みに聞こえてしまう」ということもあったそう。「10年ほど女優業をやらせていただいてますが、今までで一番難しい仕事。カメラの前でお芝居をする感覚でやってしまうと、声だけに全てがのらない。声色や間の取り方、声量の問題がありました」とかなり苦労したようだが「今回は他のキャストの皆さんとご一緒に収録する機会があったので、心折れずにできました。皆さんと一緒じゃなかったらできなかったはず」と共演者に謝意を示した。

 「第1話の収録を行う前に、試しにアフレコをする機会を設けさせていただきました。そこで打ち砕かれまして(笑)。本番に間に合わないかもしれないと思いました」という蓮佛は、その後、自宅で猛特訓を行った模様。「毎日ひきこもって、英語で喋っている元の動画を見ていました。ヴィクトリアの表情を全て記憶しようというくらいに、リピート再生の繰り返し。それに海外の女優さんって表情はわかりやすいんですが、私の印象では感情によってセリフの抑揚が見えにくい部分があります。その点を細かいところまで探っていって、違和感のないように日本語に落とし込んでいく作業をワンシーンごとにやっていました」と告白していた。

 そして「こんなに自分の声と向き合ったことはなかった」としみじみ。「声は表現のツールとしてこんなに幅のあるものなんだと発見がありました。声を調整していく作業を通じて、自分の声は思っている以上に色んな幅があるんだなと感じたんです。元々自分の声はあまり好きではなかったんですが、ちょっと好きになりましたね」と女優としてのステップアップを実感する機会になったようだ。

 「女王ヴィクトリア 愛に生きる」は、7月30日からNHK総合で毎週日曜午後11時に放送。初回のみ70分拡大版。全8回。