オーウェン・ウィルソン(左)とアーミー・ハマー (C)2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

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 ディズニー/ピクサーによる人気シリーズ第3作「カーズ クロスロード」が公開中だ。人生の“クロスロード(岐路)”をテーマに、子どもだけではなく大人の心にも刺さる物語を紡いだ。第1作から主人公ライトニング・マックィーンの声を演じるオーウェン・ウィルソンと、今作でマックィーンのライバルとなるキャラクター、ジャクソン・ストームの声を演じたアーミー・ハマーが、今作の魅力と自らの人生の岐路について語った。

 「カーズ」シリーズは、真っ赤なレーシングカーのマックィーンが、レーサーとして成長していく物語。今作では、次世代レーシングカーたちの台頭やレース中の大クラッシュをきっかけに、マックィーンが人生における大きな決断を迫られる。

 ウィルソンは、マックィーンが「第1作では、傲慢で思い上がった若いドライバーだった」と振り返り、今作で過去の自分を彷彿させる若い世代の存在に苦しむようになると話す。「マックィーンがこの作品で直面する困難は、誰にでも起こり得ること。これまでできていたことが思うようにできなくなってしまったとき、そのまま受け入れて進むのか、それとも取り組み方を変えていくのかということなんだ」

 大の車好きで、シリーズ第1作を「40回は見た」というハマーは、「ひいきをするつもりはないけれど、今作がシリーズのなかで1番いいよ」と、出演に喜びを隠せない様子。「(試写会では)全員が映画に釘付けになって、妻も泣いていた。作品に心が通っているんだ。精神性が高く、同時に楽しい映画だよ」と、大人たちの心もわし掴みにしてしまったと明かす。

 しかし、演じたストームについては「レースを愛する人にとって、とてもがっかりする存在」と語る。すべてにおいてマックィーンよりも優位な次世代レーサーは、「若く、厚かましく、生意気で、自分たちが最高だってことを知っている。でも、そこにはレースへの愛や情熱がない」のだという。

 「ストームは、どうすればマックィーンがイラつくか熟知しているんだ。嫌なところを遠慮なく突いていく。内面が崩壊するまでね。でもそこから、マックィーンがレースとは何かを再び見つけていく様子を目にすることになる。彼は次世代の連中がそぎ取ってしまったレースの面白みを、もう1度取り戻そうとするんだ」

 今作に特別な意味を持たせた要因のひとつとして、クルーズ・ラミレス(声:クリステラ・アロンゾ)の存在がある。次世代レーサーに対抗しようとするマックィーンのトレーナーであるクルーズは、レーサーになる夢を諦めた過去を持つ女性。マックィーンと出会ったことで、勇気を持って大きな一歩を踏み出す姿は、多くの人々に勇気を与えるだろう。

 ウィルソン「(クルーズに)共感するのは、『もし自分にレースをする能力があると思うなら、何事にも止められるべきじゃない。ただ女性だからという理由で、レースを愛してはいけなかったり、レーサーになれないのはおかしい』という、能力ベースな考え方だね」

 ハマー「僕の娘には何があっても今作を見せるよ。クルーズから自信をもらえるからね。娘はまだ2歳半だけれど、もう少し大きくなったら繰り返し見てほしい。特に女の子にとって、すばらしいメッセージが込められているよ」

 カーレースの世界と同じように、競争の激しいハリウッドでキャリアを築く2人。これまでで1番の人生の岐路は、どんなことだったのだろうか?

 ハマー「子どもを持つことがとても大きな瞬間だった。子どもをきれいにして、ご飯を食べさせて、教育を受けさせる。そうなると仕事や多くのことへの関わり方が変わったよ。自分のことよりも、すべては子どもにとって最高のものにと願うようになったんだ」

 ウィルソン「最初に作った映画(『アンソニーのハッピー・モーテル』)が上手くいっていないときも、なんとかしがみついていたんだ。そうしたら、映画が完成して、作品を本当に受け入れてくれる人が出てきた。そのときに、大きな教えがあったと感じたよ。忍耐強くいることと、今作でも語られているように、人間はどれほど他人に頼って生きているかということ。それを感じられるたか否かで、僕のキャリアは大きく違うものになっていたと思うよ」

 他者の助けを得て地位を確立し、それを次の世代に返していく。感謝の気持ちと人を思う心を描いた今作にぴったりなキャスティングだったようだ。