中国人が台湾の民主主義にもはや影響されない理由

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戒厳令解除30周年に
考える中国の民主化

 現在、台北の一角で本稿を執筆している。

前回台湾を訪れたのは昨年1月に行われた台湾総統選挙・立法委員選挙のときであった(「蔡英文陣営が大勝した台湾選挙は“中国民主化”に何をもたらすか?」)。くしくも、7月15日は戒厳令解除30周年という節目の時間で、現地では一定の議論が展開されているところであった。本稿では、この時間に久しぶりに訪れた台湾の地で、本連載の核心的テーマである中国民主化研究を念頭に置きながら、私が考えることを書き下したい。

 まず、「中国民主化と台湾」という関係性について、私の基本的な考えの一端を記しておきたい。

 《若者世代を中心とした台湾人は、「中国とこういう付き合い方をするべきではないか」「中国と付き合う過程で法治や民主の枠組みを着実に重んじるべきではないか」といった市民としての欲求を訴えている。中国との付き合い方という文脈において、法治・自由・民主主義といったルールや価値観を守るべく、市民社会の機能を駆使しつつ、自らの政府を徹底監視し、自覚と誇りを持って奮闘する過程は、対岸の中国が民主化を追求する上でポジティブな意味合いを持つ。

  なぜなら、台湾が中国と付き合うなかで、政治体制やルール・価値観といった点で中国に取り込まれる、すなわち台湾が“中国化”していくことは、中国共産党の非民主主義的な政治体制が肥大化しながら自己正当化する事態をもたらし得るからだ。その意味で、同じ中華系に属する社会として、民主化を実現した歴史を持つ台湾、そしてそこに生きる人々が果たす役割は大きい。》

 (『中国民主化研究:紅い皇帝・習近平が2021年に描く夢』(ダイヤモンド社、2015年7月刊、第12章“台湾と中国人”、394〜395頁)

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