「上野公園内に位置し、周辺には博物館、美術館、動物園、音楽ホールなどの文化・芸術施設が集結していることから、リニューアルコンセプトは『上野公園』をモチーフ。「緑や文化との融合」とし、文化・芸術の一大拠点にふさわしい駅空間を創造することで、上野エリアのさらなる魅力向上を図る」

京成電鉄が、京成上野駅のリニューアルについてこう発表してから2か月が経った7月12日、同駅の目の前に“小さな九州”が出現した。「永山本店 炎の陣 上野新館」だ。

「炎の陣」という名のとおり、まず目に飛び込んでくるのは、炭火焼きの豪快な炎。宮崎県の飲食店などでよく見かける炭火焼きを、ガラス越しで間近に見ながら、“九州の食旅”へと出られる。

プレスデーには、「幻の鶏 天草大王炭火焼」なるメニューを焼くシーンを見せてくれた。フロア中央に配置された焼き場では、スタッフの背を超えるほど炎が上がる。その瞬間、夜のキャンプファイヤーを囲んでいるような気分に。

「永山本店は、博多もつ鍋ともも炭火焼きをキラーコンテンツとするブランド」(KʼS FACTORY 永山清孝氏)ということで、「宮崎の次は博多のもつ鍋か」と思いきや、“牛タンでできたリース”のような、未だ見たことのない上下2層構造の熱々鍋。

やわらかい牛タンを、牛テールスープでしゃぶしゃぶするというスタイル。野菜の下にコンロが置かれ、牛タンがじわじわと蒸し焼きにされていくから、スープに浸す前に、姿も味もゆっくりと変わっていく。こうした鍋類は、同店オープンを記念して、7月18〜20日の3日間は、鍋全品が半額に。

“京成上野駅前の九州7県旅”は食だけではない。酒やノンアルコール類でも九州7県旅が体験できる。たとえば、福岡「博多あまおう」や熊本「デコポン」、鹿児島「桜島 小みかん」といったフルーツを、ピューレにして試せるメニューもある。

―――京成上野駅は、東京圏の大手私鉄ターミナルの中でも、終端駅の雰囲気を色濃く残す駅。東武東上線・西武池袋線の池袋駅も、京浜急行線の品川駅も、JR線の線路に沿ってホームを並べるが、京成上野駅は、JR線とは相容れず、独立したつくりを保っている。

成田空港から飛び立つとき、京成スカイライナーにこだわって選ぶ人も少なくない。そんなユーザーのなかには、「急いでなければ、日暮里からではなく鉄道ターミナルと旅立ちの雰囲気を感じたくて、京成上野から乗る」という人もいる。

成田発のLCCで、九州も気軽に行けるようになった。列車や空の旅といっしょに九州をめぐるのもいいけど、永山本店のような空間で「駅前で九州をまるっと」もありかも。