今年もやって来ます熱帯夜!「夏でもグッスリ」をめざして、友野なおさんに真夏の夜の眠り方をうかがってきました。ひとつは夏用の寝具を整えること。それから寝る前に部屋の壁をエアコンでギンギンに冷やしておくこと。まだあります、真夏の夜の快眠方法。

夏こそお風呂。38℃に20分、しっかり入る

実は、夏は体に「冷え」がたまりやすい季節です。外は暑いけど、オフィスの中や電車の中などは、エアコンでキンキンに冷えていて、むしろ寒く感じること、ありませんか?外気温は35℃。オフィスの中は25℃、なんてことがよくあります。このような大きな寒暖差は自律神経を乱すと同時に、寒暖差疲労の原因にもなります。自律神経のバランスが乱れることは、快眠を妨げることにつながるので、しっかりとケアすることは必要です。

冷え対策として、第一に取り入れていただきたいのがお風呂の習慣です。夏はシャワーだけで済ませてしまう人が多いのですが、夏こそしっかりお風呂に浸かってください。38℃で20分、全身浴、これがルールです。

夏はミュールなどで足元に冷えが溜まっていることが多いため、湯上がりにはすぐレッグウォーマーを着用するのがおすすめ。また、お風呂上がりに冷えたビールなどを飲む行為も、冷えを助長するだけでなく、快眠も遠ざける行為なのでやめましょう。

お風呂では足首や肩、首などをストレッチして筋肉をほぐし、昼間の緊張から自分を解放してあげてくださいね。リラックスすることで副交感神経が優位になり、体と脳の眠りモードスイッチをオンにすることができます。

 夏の布団干しタイムは正午まで

夏は汗をたくさんかきますから、布団もしっかり太陽に当てて干したいものです。シーツは少なくとも1週間に1回は替えてくださいね。このタイミングで布団も干せればベストなので、お休みの日を上手に使ってください。

ここでひとつ注意を。夏の布団干しは正午までにすることです。夕方まで干して西日に長く当ててしまうと熱がこもってしまい、夜になっても熱が布団にこもったままになってしまいます。太陽の恵みを上手に活用して、ふわふわで快適なおふとんに仕上げましょう。

前回、室内の環境づくりとして部屋の壁をエアコンで冷やす方法をお話ししましたが、部屋の室温を上げない工夫として、窓から入る日光をさえぎることも有効です。

昔ながらの簾(すだれ)や葦簀(よしず)は見た目も涼しく、インテリアとしてもいいですよね。もっと身近なところでは遮熱カーテンも有効です。あと、ちょっと大変ではありますがグリーンカーテンも効果が抜群なので、機会があればぜひ試してみてくださいね。

夏の睡眠環境を整える方法をいろいろお話してきました。しかし、快眠は環境だけでつくられるわけではありません。大切なのは、毎日の睡眠や覚醒のリズムが適切に保たれていることです。夏は日照時間が長いので、誰しも睡眠時間が短縮する傾向にあるシーズン。お盆休暇などの大型連休もあり、生活全般のリズムが乱れやすい季節ですから、自分で意識して就寝時刻や起床時刻を一定にするよう心がけてくださいね。夏バテしないためにも、「今日の疲れを明日に持ち越さない」が鉄則ですよ。

お風呂に入ってリラックスすれば、眠りモードへスムーズに移行します。グッドナイト!



■賢人のまとめ
夏こそ体に冷えがたまります。お風呂にゆっくり入って、足首や肩、首をストレッチしてほぐしておきましょう。また、夏は夜更かししがちですが、なるべくいつもと同じ時間に寝て、睡眠時間を確保してください。快眠は夏バテ防止の第一歩です。

■プロフィール

睡眠の賢人 友野なお

睡眠を改善したことにより体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。
科学でわかるねむりの環境・空間ラボ主宰。著書に『やすみかたの教科書』(主婦の友社)など。