商機と資産を生み出す「ビリオネア・マインド」とは何か

写真拡大

努力に才能、そして幸運──。富豪への道のりには、さまざまな要素があるのは事実だ。だが、多くの大富豪は共通して「ビリオネア・マインド」を持っているという。自力で成功した富豪から学べることとは。
今年で30年周年を迎えたフォーブス恒例「世界のビリオネアランキング」。今年は過去最高となる 2043人の富豪がランキングを飾っている。 

ビリオネア(資産10億ドル保有者)は一般人と何が違うのだろうか?

自力で成功した富豪には、中流層出身のマイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ(1位)や投資家のウォーレン・バフェット(2位)のような人もいれば、経済的に困難な状況から這い上がった人たちもいる。

19位に入ったアジアで最も裕福な実業家、李嘉誠は、12歳のときに学校をやめ、家計を支えるために腕時計の工場でベルトを付ける作業をした過去を持つ。スターバックスのハワード・シュルツ前CEO(660位)もニューヨークの貧困地域で育ち、シアトルのコーヒー店を世界的チェーンに育てた結果、多くの富を手にしている。

以下、ビリオネア50人に、初めて100万ドルを稼いだ年齢と出自という2つの質問をしてみた結果を紹介しよう。

null

年齢について、最も多かったのは21〜30歳という回答(59.6%)だった。近年、ITの発達により、若くして億万長者になる起業家が増えている。50歳以上という回答はなかったとはいえ、マクドナルド創業者のレイ・クロックが同社を立ち上げたのは52歳のとき。経験も生かし方次第ということか。

一方出自については、貧困から中流階級までが全体の7割を占めるという結果になった。経済的に恵まれない環境から成功したビリオネアの中には、忍耐力はもちろんのこと、「長期的思考」にもとづくビジョンを持って這い上がった人が数多くいる。

成功者たちには幸運や才能といった外的要因の他に、共通して「ビリオネア・マインド」があると指摘するのは、『10億ドルを自力で稼いだ人は何を考え、どう行動し、誰と仕事をしているのか』(邦訳:ダイヤモンド社刊)の著者であるジョン・スヴィオクラとミッチ・コーエンだ。

コンサルティング企業PwCに勤める2人は、フォーブスの「ビリオネアランキング2012年」をもとに、自力で成功した富豪を精選した上で無作為に抽出。家族形成や経歴などを詳細に調べた結果、ビリオネアには独特の”マインド(内面)”があることに気づいた。

この「ビリオネア・マインド」は、(1)共感力と想像力で未来を描く(発想のし方)、(2)最速で動き、ゆっくりと待つ(時間の使い方)、(3)創造的にルーティンワークをこなす(行動を工夫する)、(4)現在の金銭的損失よりも将来の機会損失を恐れる(リスクについての発想を変える)、(5)自分と正反対の人を仲間にする(仕事相手の選び方)の5つに大別でき、継続して訓練すれば誰にでも身に付けられるという。

なかでも、(4)現在の金銭的損失よりも将来の機会損失を恐れる、に注目したい。重要なのは、得るものと失うものを相対的に評価することであり、チャンスを逃すことも潜在的なリスクになり得るということである。

例えば、アマゾン創業者兼CEOのジェフ・ベゾスも、事あるごとに「長期的思考」の重要性を訴えている。確かに、1995年にアマゾンをオンライン書店として創業した先見の明が成功の最大の要因なのかもしれない。

加えて、2000年初頭のドットコム・バブルの崩壊による被害を最小限に抑えつつ、次の成長に備えて積極的に事業拡大を図った戦略も評価されて然るべき点だ。販売品目を本や音楽、DVDからさらに広げるかどうか、というタイミングでの株価の暴落、経済アナリストからの懐疑的な分析にも怯まず、コスト削減などの効率化を進める一方で、電化製品やおもちゃへも手を広げている。守り一辺倒ではビジネス機会を失う可能性だってあった。

ビリオネアの”リスク神話”には半ば博打のような決断ばかりが注目されがちである。しかしリスクを現在と将来の時間軸で相対的に捉えれば、”合理的な判断”となり得るのだ。