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text:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)

「2019年までの電動化」 つぎつぎ煽る新聞社

ボルボは今朝(7月5日)、2019年以降同社が導入するモデルは電気化されると発表し、これをして同社の内燃焼のみで動くクルマの終焉としている。

「ボルボ、ガソリン自動車の終焉の鐘声」をデイリー・メールが伝えると、「ボルボ、ガソリン/ディーゼル自動車の生産終了を示唆」、タイムズ紙はこう宣言し、「燃料の終焉、ボルボ、オール電動化へ」、テレグラフのビジネス欄のフロントページは更に突っこむ。

もちろん、上記はどれも誇張された表現である。しかし、これらのヘッドラインは、あたかもボルボが現代の自動車産業における最も重大な発表を行ったかにみえる。

ボルボモデル、2019年より電動化。

しかし表現が誇張だったとしても、内燃焼のみで動くクルマの終焉を宣言するとは、大胆なアクションである。近日わたしが話したどの自動車メーカーも、向こう10年以内に伝統的なガソリンエンジンやディーゼルエンジンを廃止するという結論には至っていない。

そのことをして、わたしは自動車メーカーの多くは、自己の決断に対して、保険を掛けているのだろうと感じていた。

ボルボ「お客様のため」 正しい判断だったのか?

今朝のアナウンスメントで、ボルボのハッカン・サミュエルソン代表は、「これはお客様のため。ひとびとが電気自動車を求める傾向が日に日に高まっており、われわれはお客様へ彼らが、今、そして将来求めるものを提供したいです」と述べている。

この言葉は、わたしを考えさせる事となった。彼は正しいのであろうか?

広義において、正しいと思う。電気自動車の販売台数は増加している、つまり需要は増加している。

しかし、クルマの購買層全体像を、その事象で捉える事によって、伝統的なエンジンを供給することを怠ってもよいものだろうか?

厳格化する規制 電力は生存の選択肢

2021年以降と2015年に施行されるエミッションに関する規制のもとで、自動車メーカーに唯一残された生存の選択肢は、電気自動車である。

けれど電機自動車だけを造ることと、内燃焼機関の終焉は、異なった意味で捉えられるべき。内燃焼機関は、マイルドハイブリッドやプラグインハイブリッドにおいて、大きな役割を果たすが、これらのパワートレインは、今後もボルボの造る主なクルマに使われることは間違いない。

だからといってこの事実が、昨日のボルボのアナウンスメントに影を落とすものではないとAUTOCARは考えている。

同社が2021年までに5つの電気自動車を発売するということは、重要でエキサイティングなニュースであり、業界のトレンドがそうであるということよりも、同社にとってより意味のある発表であると思うのだ。

AUTOCARの調べによると、向こう数年のあいだで100もの電気自動車が主要な自動車メーカーより発表される。

これらのクルマは、必ずしも中国市場を意識したものではない。しかし、これは中国のメーカーであるボルボの貢献である。すべての自動車メーカーは、同じ船に乗り、革新的なクルマと技術を送り出すというスキームだった、たやすく想像できる。

ボルボ規模だから可能だった英断

これらのクルマは2019年以降に導入されるのだが、ボルボの顧客が電気自動車に触れるまで2年待たなければならない。

個々のモデルチェンジのサイクルを考えると、ボルボの全てのクルマが電気自動車化されるのは2020年代の半ばと思われる。

先頃ボルボが発表した、ポールスターと呼ばれる、電気自動車のパフォーマンスブランドも忘れることはできない。このブランドの設立も、電気自動車の販売促進を加速させることだろう。

ボルボにとっては、ドイツの巨大自動車メーカーのような成り立ちでないことがアドバンテージになる。生産台数が少ないため、型にはまる必要はない。冒険をするフットワークだって軽い。

何か少し違ったものを求める洗練された顧客層に歓迎されることだってあるかもしれない。

電気自動車しか造らないメーカー(ともいえる)に投資することは、この上なく変わった事である。

これが、どの様な結果をもたらすのか楽しみだ。ボルボのセールスは、その時が来ても陰ることはないと断言できる。ボルボ、万歳。