古川雄輝

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 『猟奇的な彼女』『僕の彼女はサイボーグ』などで知られるクァク・ジェヨン監督の新作『風の色』が、14日に第21回富川国際ファンタスティック映画祭でワールドプレミア上映を開催。観客から喝采を浴びる中で、主演の古川雄輝が、とにかく過酷な撮影だったという撮影を振り返った。

 本作は東京と北海道を舞台に、恋人の川口ゆり(藤井武美)を亡くした西邑涼(古川)が「自分とそっくりな女性が北海道にいる」という言葉を確かめるために北海道を訪れるストーリー。そこで彼が出会ったゆりとそっくりな最上彩(藤井)。彼女も、イケメンマジシャンだった恋人の村山隆(古川)を1年前にイリュージョンの事故で亡くしていた。ふたりの間にはいつしか特別な感情が芽生え始める。

 古川は、「マジックのシーンは、本番開始20分前に指導を受けただけで、特別なマジックの訓練は受けていません」と手先の器用さをうかがえるエピソードを告白。一方で大変だったのは水中撮影のシーン。「浴槽に本物の氷を入れて撮影するのですが、水温は0度以下。また、プールのシーンは入水を繰り返したために低体温症と酸欠を患ってしまい、2週間は1日に2時間も歩けないほど体調を崩してしまった」と裏話を明かしていた。さらに共演の藤井も「古川さんが海水から出てくると体全体から湯気が立っており、本気で心配になり暖めるために体をさすった」と話すほど、撮影は過酷ものだったようだ。

 もちろん、撮影は苦しいことばかりではない。北海道ロケということもあり、「おいしい物をたくさん食べられたのでは?」という客席からの質問に対し、古川は「北海道の刺身やお寿司もいただきましたが、一番おいしかったのは監督から分けてもらったキムチと韓国のり。どんなごちそうよりもおいしかった」とクァク・ジェヨン監督の飴と鞭の使い分ける演出ぶりを語っていた。

 また古川は「僕は出演を決めるときにシナリオを読みません。オファーをいただき、自分が必要とされていればどんな役でも演じ切ります」と作品を選り好みしないそう。1万人の中からオーディションで選ばれた藤井は「シナリオを読み込んでも役づくりがうまくできず、撮影現場に行くのが怖かったのですが、共演の俳優やスタッフに守られて、いつしか怖さが薄らいできました」と語ると、すかさず古川が「一番怖いのはクァク監督」と突っ込み。するとクァク監督は「うまい物をいっぱい食わせたじゃないか」と飴を強調して会場を笑わせていた。

 映画は2018年正月第2弾、TOHOシネマズ日本橋ほかにて全国公開。第21回富川国際ファンタスティック映画祭は、23日までプチョン市内にて開催される。(取材・文:土田真樹)