音楽史に燦然と輝くスタンダードナンバー、その知られざるカバーバージョンをディグりまくる連載企画「disCOVER!」。

今回ピックアップしたのは、言わずと知れた“レゲエの神様”=ボブ・マーリーの「No Woman, No Cry」です。

もう数え切れないほどたくさんのアーティストにカバーされている大名曲ですが、とりわけフージーズによるカバーはボブ・マーリーへの尽きない愛とリスペクトが満載。時代を超えて魂の交流を果たすような、温かなヴァイブスとミュージシャンシップに胸がじ〜んと熱くなります(MVにはボブ・マーリー本人の映像も!)。

アラビアで生まれ変わった
「No Woman, No Cry」

で、サウジアラビアのコメディアン、ヒシャム・ファギーさんがカバーしたのは、「No Woman, No Cry」ならぬ、「No Woman, No Drive」(いや、実際には「替え歌」という方が正確かも)。

これ、ただの替え歌じゃないんです。女性の運転が(宗教勅令的に)禁じられているサウジアラビアの戒律を風刺するような内容で、それをユーモラスに表現することで、世界の人々にこの問題とサウジアラビア人のウィットを伝えたかったそう。

動画冒頭にインタビューがあって、「私はアーティストであり社会活動家だ。音楽はあんまり聴かないが、アメリカで勉強していたときに聴いたジャマイカ人のこの曲にインスパイアされた」などと語り、楽器を使わずにアカペラで歌いだすという意外な展開に。

「才能溢れる友人たちに手伝ってもらって歌います」とも言ってますが、ど〜見てもこれ、ひとり多重録音ですよね…(これぞアラビアンジョーク!?)。

オリジナルもご堪能あれ!

60〜70年代に活躍したジャマイカ出身のレゲエミュージシャン。ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズとしても活動。彼の音楽と思想は後継のミュージシャンはもちろん、世界中の人々に多大な影響を与えた。1981年5月11日に若干36歳で死去。1977年に発表したアルバム『エクソダス』の発売40周年を記念した『エクソダス40』が好評発売中。

 

Reference:TheFugeesVEVO
Reference:Alaa Wardi