覗けば深い女のトンネルとは? 第32回「いま、必要としているのは何?」

 

少女マンガで鉄板の頻出萌えシーンがあります。それは「看病」。男子が熱を出して倒れるのもアリだし、女子が寝込むのもアリ。するのもされるのも萌えなのが、看病です。「花より男子」「王家の紋章」「BLACK BIRD」などなど、看病シーンが登場する少女マンガは枚挙にいとまがありません。

 

「仮面ライダー555」という作品を観たとき、衝撃でした。ばったり失神した女の子を半田健人がお姫様だっこをしてベッドへ連れていき、スープを作って来てくれて、「おまえ、猫舌だったよな」とかいってフーフーして食べさせてくれるんです。まるで少女マンガのワンシーンです。こんなステキなシーンを見て育つ子どもってどんなに有望かしら……!!

 

話を戻します。看病はなぜ少女マンガの鉄板萌えなのでしょうか。

 

まず男子が倒れた場合から。普段強気な男子が弱って寝てるんです。ギャップ萌えですね。やることが簡単でわかりやすいのもいいですね。氷で冷やしてぐたぐたしたものを食べさせればいいだけ。

 

女子(自分視点)が倒れた場合も楽しめます。寝ているだけで家事をしてくれるんで楽ですね。ピンポイントで必要なことをしてくれるお役立ち感もいいです。高熱が出て寒がった場合は「人肌で温めるのが一番だ」とかなんとか言って「しかたない」感じで添い寝になるのも頻出シーンです。無駄に欲情しないスキンシップが少女マンガは大好きなんですね。

 

ところがですよ。こんなに大人気の看病ですが、経験上、現実で男子に「きちんと」看病されることってほんとにレアです。まわりの友人から、熱を出して寝ているところに夫が帰ってきて「ねえ、僕のご飯は?」たら言われたなんて体験談を聞いたのも1回や2回じゃありません。

 

体調が悪くて寝ているとき、自分のご飯すら面倒なのに、どうして元気な夫の面倒まで見なければいけないのでしょうか。類似パターンで「僕のご飯は買ってきたから寝てていいよ」なんてのもあります。「大丈夫? 病院に行ってきなよ」もよく聞きます。おまえが連れてけ。

 

実体験としては、寝ているところにやって来てマンガ読んで帰って「看病に行った」とか、風邪引いて寝てるところにお好み焼きだの唐揚げだの買ってきたとか。普通にうどんを作ってくれたのは1人だけだなあ……。

 

そういえば、伊藤理佐さんのマンガのワンシーンで、こんなのがありました。女子が風邪で寝ていると、会社で気になっている男性から電話があり「看病しに行くよ」と言われました。慌てておしゃれして待っていたら、彼はでかい薔薇の花束を抱えてやって来ます。彼女は思います。「いま、一番役に立たないものを持ってきやがって……」

 

看病では本当に相手が必要としていること感じとるのが最初の一歩です。

 

寝込んでしまうと、まず困るのが食事ですよね。作るにしても食べに行くにしても、労力がいります。黙って出てきたらどれだけ楽か。自宅で食べたら洗い流しもしなきゃいけません。何日も寝込んでいると、今度は洗濯物が溜まってくる。着替えだってなくなってきます。看病って、そういうやっかいごとを代わりに引き受けることだと思うんです。でも、そういうことって、自分で自分の世話をしたことがある人じゃないと想像しにくいんですよね。

 

最後に、看病の仕方がわからないという男性諸君にヒントです。まず食器の洗い流しはマスト。親密度によりますが洗濯も優先度は高め。ここまでの2つはなにも聞かずに黙ってやりましょう。あとは「食べたいものはある?」「してほしいことは?」と聞いてください。仕事でも自分の意見を言わずにただ「どうしたらいいですか?」と丸投げで質問するのは仕事ができないサインですが、それは看病でも同じ。なにもせずにいきなり「どうしたらいい?」はNGです。

 

看病でぜひ高評価を得る男性になってくださいませ。