UNISON SQUARE GARDEN、なぜアニメと相性が良い? タイアップ曲からバンドの特性を考察

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 ロックバンドでありながら、ここ数年はアニメタイアップでも飛躍を見せる、UNISON SQUARE GARDEN(以下、ユニゾン)。現在放送中の夏アニメ『ボールルームへようこそ』でも、彼らの新曲「10% roll, 10% romance」がOPテーマを飾っている。

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 これまでにも数々のアニメでタイアップを果たしてきたユニゾンだが、中でもとりわけ知名度が高いのは、やはり『TIGER & BUNNY』シリーズではないだろうか。2011年のテレビアニメでOPテーマとなったシングル「オリオンをなぞる」は、ユニゾン史上初のオリコン14位をマーク。タイバニシリーズ自体が爆発的ヒットを記録したこともあって、テーマ曲を務めたユニゾンの名をロックファン以外にも広く知らしめることとなった。その後も、ユニゾンは『血界戦線』(以上、TOKYO MXほか)や『夜桜四重奏 〜ハナノウタ〜』(TBSほか)といった作品の主題歌も担当。ロック畑出身ながら、アニソン業界でも着々と人気を築き上げていったのだ。

 ロックバンドがアニメタイアップをする場合、アーティスト色が強いあまりに楽曲がアニメの世界観から浮いてしまったり、逆にアニメに寄りすぎてアーティストの個性が発揮されていないような例も少なくない。しかし、その点ユニゾンが手がけるアニソンは程よい塩梅だ。アニメの世界観をバンドの世界観が補填し、まさに“アニメの顔”にふさわしい楽曲となっている。

 そもそも、彼らのサウンドはポップス要素が大きいため、アクの強いバンドと比べれば、こうしたタイアップには適しているだろう。ロックバンドらしいアグレッシブな演奏でアレンジも凝っているが、メロディラインは極めてキャッチーだ。そのため、テレビというマスメディアにも馴染みやすい。それでいて、ロックとポップスの間にある立ち位置は、テレビ番組でありながら放送は深夜帯がメインという、大人向けアニメの立ち位置にもよく似ている。仮に、ポップス路線まっしぐらであれば、アニメよりもドラマタイアップなどの方が似合うだろう。だが、ポップスに複雑なエッジを効かせることで、マスとコアの間で揺らぐアニメとの親和性が高い音楽となるのだ。

 “ユニゾンとアニメ”の関係を語るにおいて、ベーシスト・田淵智也の存在に言及しない手はないだろう。もともと漫画やアニメに造詣が深かった田淵は、バンド以外にソロとしてもアニソン制作に携わっている。ベーシストでありながら、ユニゾン楽曲のほとんどを作詞・作曲している田淵は、LiSAやスフィアといったアーティストや声優への楽曲提供にも精力的だ。このように、生粋のアニメ好きである田淵が作詞作曲の核となっていることで、バンドサウンドとアニメの相性がより増強されているのは間違いないだろう。

 そして今回の『ボールルームへようこそ』だが、筆者は原作未読ということもあって、社交ダンスをテーマにした本作には少なからずクラシカルな印象を抱いていた。第5弾PVのBGMに使用された往年のジャズソング「Sing,Sing,Sing」が、正にそのイメージに近い。しかし、第1話冒頭で「10% roll, 10% romance」に合わせて流れるOP映像を見ているうちに、それまで抱いていたとっつきにくさのようなものは一気に吹っ飛んでしまった。

 この曲が持つポップ性には、多くの視聴者にとって馴染みの薄い“社交ダンス”というテーマを、より親しみやすい形に変換して提示する作用がある。さらに、ユニゾンの持ち曲の中でも最速BPMとなる疾走感溢れるサウンドに斎藤宏介の澄んだ歌声が乗ることで、アニメキャッチコピーの“青春を、熱く踊れ。”という言葉が強く想起されるのだ。

 そんなわけで、今回の「10% roll, 10% romance」も、アニメが持つテーマをさらに際立たせるような、作品と大きくリンクした仕上がりになったといえるだろう。“ユニゾンのアニメタイアップは間違いない”。そんな風に思わされたのだった。(まにょ)