疲労困憊だったオーバメヤンは目を見張るようなプレーこそ見せなかったが、時折見せるスピードはさすがだった。 写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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[Jリーグワールドチャレンジ]浦和2-3ドルトムント/7月15日/埼玉スタジアム2002
 
 2015年夏以来の来日をし、見事に浦和レッズとの接戦を制したドルトムント。そのなかで香川真司と同様に注目されていたのが、エースストライカーのピエール=エメリク・オーバメヤンだ。
 

 試合後に本人が「少し疲れたね」と語ったように金曜日に来日し、この試合には前日の公開練習を除き、ほぼぶっつけ本番で挑んだ。その影響もあってか、ガボン代表FWは先発しながら明らかにコンディション不良で、ほとんど見せ場を作れずに前半でお役御免となった。
 
 それでも浦和のCB遠藤航に、「ほんとにダッシュしてんのかわからなかったけど、速かった」と感じさせた快速FWはいま、去就動向が大きく注目されている最中でもある。
 
 7月14日に中国の夏の市場が閉じたため、移籍金8000万ユーロ(約103億円)をオファーと報じられた天津権健への移籍が消滅したオーバメヤン。その結果、ドルトムントが望むとされる移籍金7000万ユーロ(約91億円)を支払えるクラブが限られたことから、新天地候補としてはチェルシーとミランに絞られたと複数の現地メディアによって報じられている。
 
 チェルシーは、ロメル・ルカクをマンチェスター・Uに横取りされ、さらにアルバロ・モラタともR・マドリーの想定する移籍金に差があり、交渉が暗礁に乗り上げた状態にある。そのため、プレミア王者はオーバメヤン獲得にシフトしているとされ、英紙『ミラー』は、移籍金は6500万ポンド(約95億円)を提示すると伝えている。
 
 一方、そんなチェルシーとは好対照に、今夏は中国人投資家の資金を後ろ盾に積極補強を展開しているミラン。現地時間7月14日にはユベントスからレオナルド・ボヌッチをサプライズ獲得し、周囲を驚かせてもいる。
 
 そんなミランは新エースとして、2007〜11年まで保有していた(実際に所属したのは1シーズンのみ)オーバメヤンの獲得を狙っており、イタリアの『メディアセット』によれば、すでに代理人を務める父親との連絡を開始。年俸750万ユーロ(約9億8000万円)の4年契約を提示したと具体的な話も出ている。
 
 実際のところ移籍交渉は進んでいるのか? 絶好の機会なので渦中のストライカーに単刀直入に聞いてみた。「チェルシー or ミラン? それともほかにプランがある?」と。するとこう返された。
 
「はは(苦笑)。そのことについては話さないよ」
 
 明確な回答こそ得られなかったが、移籍の可能性については否定しなかったオーバメヤン。今夏の市場でドルトムントを退団するというシナリオは、まだ残っているのかもしれない。ドルトムントの新シーズン・ブンデスリーガ開幕は8月19日(対ヴォルフスブルク)だが、欧州のメルカートは8月31日まで開いている。はたして、その去就やいかに?

取材・文:羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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