核・ミサイル開発に突き進む北朝鮮への対応をめぐり、対話に未練を残す韓国の文在寅大統領。これに対し、主要紙は制裁強化に向けた政策転換を一斉に促している。資料写真。

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2017年7月15日、核・ミサイル開発に突き進む北朝鮮への対応をめぐり、対話に未練を残す韓国の文在寅大統領に対し、主要紙が制裁強化に向けた政策転換を促している。各紙の主張には濃淡があるが、「北朝鮮への幻想を捨てよ」「新たな対北政策を」「対話のための制裁強化を」などの声を一斉に上げている。

ドイツで開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席した文大統領はカナダのトルドー首相との会談で、北朝鮮が4日に発射した大陸間弾道弾(ICBM)に触れ、現在の状況を「6・25戦争(朝鮮戦争)以来、最大の危機」との厳しい見方を示した。これに関連して保守系の朝鮮日報は「北朝鮮に対する幻想を捨てよ」との社説を掲載。「政府と国民はいずれも深刻な認識をもって現実を直視しなければならない」と論じた。

この中では「北朝鮮が核とミサイルを放棄する可能性もほぼゼロになった」「ここで道を誤れば、国が歴史上例のない暴力集団の人質となる恐れもでてきた」と指摘。「北朝鮮におもねれば南北による核交渉につなげられると本当に考えているのであれば、これはもはや純真というよりも危険な考え方だ」として、「いかなる幻想も持たないことが必要だ。軍事的、政治的かつ現実的な対策を検討していかねばならない。まずはこちらが変わらねばならない」と強調している。

やはり保守系の東亜日報は社説で、トルドー首相との会談での発言を「北朝鮮の核と関連したこれまでの文大統領の発言の中で最も深刻な憂慮の表現であり、これまでの文大統領の見解からかなりの変化がうかがえる」と評価。「(北朝鮮は)核放棄に向けた対話に出るどころか核戦争も辞さない構えだ。文大統領が現実を直視するなら、新たな対北政策を考える必要がある」と提言している。

中央日報も社説で「今回の会議で示した文大統領の北朝鮮認識の変化は注目するに値する。韓日米で対北共同声明も発表した。北朝鮮の非核化と核・ミサイル挑発に対して文大統領が国際共助の強化という現実的な立場を取ったことは幸いだ」と言及。「軍統帥権者である大統領が北核に対して明確な認識を持って厳正に対処してこそ軍や政府も従う」としている。

左派系のハンギョレ新聞は社説でICBM発射を「対話努力に冷や水浴びせる」と非難。「朝鮮半島問題で韓国が主導権を行使し、北朝鮮を『対話』に引き出そうとしていた文在寅政府の構想を難しくしている」と述べ、「『対話局面』を目標に置くものの、その過程で『対話のための制裁』を一層強化しなければならないこともある」とも呼び掛けている。(編集/日向)