この写真に猛バッシングされたものの…(画像は『Enedina Vance 2017年6月28日付Facebook「So I got the baby girl's dimple pierced!!」』のスクリーンショット)

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米オハイオ州に暮らす6児の母エネディーナ・ヴァンスさんが、6月28日に自身のFacebookに投稿した1枚の写真が炎上した。それは赤ちゃんと呼べるほどの幼い娘の頬にピアスをした姿で、子供にピアスを開けた気持ちを綴ったものだったが、そこには隠れた真意があった。英メディア『Mirror』や『The Sun』などが伝えた。

愛くるしい笑顔を向ける娘の左頬のえくぼ部分に、キラリと光るピアス。エネディーナさんは写真にこのような文章を添えている。

「娘のえくぼにピアスを開けたわ! とっても可愛いでしょう!? もし成長して気に入らないなら外せばいいんだから、大したことじゃないわ。私はこの子の親で、この子は私の子供よ。子供が18歳になるまで親の私が子供のことは全て決断を下すの。みんなそれぞれ子育て方法は違うんだから、私のことを批判しないで。」

この投稿は14,000以上のシェア数となるほど一気に拡散し、エネディーナさんを「モンスター」と呼ぶほど怒りと批判のコメントが相次いだ。しかも児童福祉サービスへ通報され、Facebookからはこの写真は削除された。ところがこの投稿はフェイクだったのだ。

実はエネディーナさん、活動家として「幼い男児への割礼」に対する反対デモを行ったのである。後に「娘のピアスはフォトショップを使用しただけのフェイク」とFacebookでも説明し、世間に割礼という儀式がいかに残酷なものであるかを伝えたかったと述べている。

娘にピアスをした身勝手な母親を故意に演じたエネディーナさんは、テックインサイトの取材にこのように胸のうちを語ってくれた。

「私は割礼反対活動家として長い間、子供へ心身ともにダメージを与える割礼は不必要なものと訴え続けてきました。残念なことにアメリカでは多くの親が、医師や看護師から『子供に割礼をしないと感染症にかかりやすくなる』と説得されます。感染症は抗生物質で治るという説明もされないために、親も子供が小さいうちに割礼をした方がいいと信じ込んでいるのです。割礼は子供の人権への野蛮で深刻な違反行為です。私は今回、もっと多くの人に注目してほしくて娘のピアスの写真を投稿しました。結果的にあのフェイク写真は、ユーザーの目を惹くには十分すぎる効果があったようです。」

エネディーナさんは夫を含む活動家などわずか3人のFacebookユーザーに、娘のピアス写真をタグ付けしただけだったという。自分と同じ割礼反対派は目を通してくれるだろうことを予想し、恐らくシェア数も数回になるだろうと思っていたそうだ。しかし世界的にニュースとして取り上げられ、あまりの反響の大きさに自身も驚きを隠せない。

「私の訴えに怒りを露わにした人たちもいました。でも多くの人が割礼への事実を受け止め、子供たちにしていることを考慮してくれています。友人のひとりは私に『まず、社会を変えよう。そしてその次に法律を変えるんだ』と言いました。私は親たちへひとりの人間として子供の権利を認識し、尊重してほしいと願っています。『子供なんだから親の私が望むようにする』というような親は、子供のためではなく自分のためにしているだけにすぎないのです。」

また、エネディーナさんは英メディアにも「たとえ親であったとしても、ピアスをしたり割礼をしたりと人の身体に手を加えることは許されないことです。それをしたから美しくなるとか、そんなことは親の見栄にすぎません」と主張した。

しかし投稿がフェイクだとわかってからも、いまだに批判をしてくる人たちがいるそうだ。エネディーナさんは真意が伝わらない人たちに失望を感じ、娘の写真の後に2度も投稿して「あの写真はフェイクだ」と説明しなければならなかったという。