『ひよっこ』(NHK総合)第14週「俺は笑って生きてっとう!」では、島谷純一郎(竹内涼真)がヒデ(磯村勇斗)の問いかけによって、ようやくみね子(有村架純)への思いに気づく。そして、第15週「恋、しちゃったのよ」で、2人はついに恋人として結ばれるのであった。

 互いに恋愛経験の少ないみね子と島谷。島谷がヒデに背中を押されたように、みね子もまた親友の時子(佐久間由衣)によって、自分の気持ちに正直になることができた。バー「月時計」で開かれた時子の歓迎会。そこで、島谷はみね子にビートルズのチケットを渡せなかった理由を明かす。チケット入手に奮闘するみね子に対して、簡単にチケットが親から送られてくる、自分の恥ずかしさ。「単に恵まれているやつ」、島谷はみね子にそう思われたくなかった。そして、みね子もまた、「可哀想な人」とは思われたくないという気持ちがあった。島谷に交際を求められるみね子の脳裏に、行方不明の父・実(沢村一樹)の姿がかすめる。

 時子は、茨城から上京する時も、向島電機を離れる時も、いつもみね子の隣にいた。みね子が父親を思い、一歩前に進むことができないことを悟った時子は、彼女の腕をぎゅっと握り、「いいんだよ! 幸せになっていいんだよ!」とみね子の背中をポンッと押す。この大役を担えるのは、時子しかいなかった。「こちらこそよろしくお願い致します」、みね子の返答にバー「月時計」は祝福ムード。ナレーション(増田明美)も「みね子! 私からもおめでとう!」と2人を祝い、“朝ドラ受け”が好評な『あさイチ』(NHK総合)の有働アナもこの日はとびきりデレデレ。日本中の視聴者が、2人のカップル成立に「おめでとう!」と拍手を贈った瞬間だ。

 それからのみね子と言ったら、仕事中も満面の笑みを浮かべながら注文を取ったりと、とにかくご機嫌の様子。初デートにはみね子が行ってみたかった場所、東京タワーと島谷の通う大学へと向かう。「ここは私が払います」と島谷の分までお団子を買うみね子、島谷のお気に入りの教室の席に座るみね子、「モテない方がいいです」と焼き餅を焼くみね子。第14週では、みね子への思いが溢れる島谷の言動に愛らしさがあったが、今週はみね子の可愛らしさが爆発していた。決め手は、あかね荘でイチャつくみね子と島谷。「楽しそうに喋ってる顔好きだし」という島谷の愛の言葉に、みね子は「その顔、私好きです。(島谷が表情を変える)違います。(島谷がはにかむ)それです」と、見てるこっちが恥ずかしくなるようなシチュエーション。盗み聞きする早苗(シシド・カフカ)の呆れ顔は、視聴者の気持ちを代弁しているかのよう。

 幸せいっぱいの中、少しづつ2人に不安の影も訪れている。みね子の胸中には「島谷さんが素敵過ぎて、なんだか怖いです。幸せって怖いです」という思いがあった。鈴子(宮本信子)は、老婆心から「しなくてもいい苦労」「感じなくてもいい悲しい思い」を心配する。“身分違いの悲しい恋”、富(白石加代子)は島谷にそう告げていたが、第16週「アイアイ傘とノック」の予告では、島谷の父、赳夫(北見敏之)が息子に「縁談がある。お前との」と告げるシーンが……。みね子と島谷にはなんとか、幸せになって欲しいところだ。(渡辺彰浩)