息子の死を偽って詐欺を働いた父に懲役刑(画像は『Mirror 2017年7月12日付「Dad who lied that his son had died from cancer to swindle £13,000 is jailed for two years」(Image: Wales News Service)』のスクリーンショット)

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一度ならず二度までも…。大切な息子を病気や死と偽り詐欺を働いた父親が、このほど再び詐欺罪で逮捕・起訴され懲役刑が科せられた。『WalesOnline』『Metro』など英メディアが伝えている。

英ウェールズの首都カーディフのペン=ア=ランに暮らすニール・ジャクソン(35歳)は、かつて大手スーパーチェーン店「TESCO(テスコ)」のストアマネージャーを務めていたが、同僚らに「自分はがんを患っている」「息子のザックが脳性麻痺」と嘘を伝え、3年にわたり小切手やプライベート治療を受けるための資金など総額60,000ポンド(約880万円)以上を搾取するという悪質な詐欺を働いた。彼はギャンブルで借金を抱えていたが、だまし取ったお金はラスベガスやハワイなどのバケーションに充てていたという。詐欺罪が発覚した2012年、ジャクソンには6年の有罪判決が科せられたがその後罪を認め、4年半に減刑されている。

そんなジャクソンが、またも詐欺行為を働いた。英オンライン掲示板“Gumtree”に大家として借家「全家具付、3ベッドルーム」の広告を出し、家を借りたいと問い合わせてきた9人から総額12,840ポンド(約190万円)を搾取したのだ。

ジャクソンはその9人から1,000ポンド(約15万円)〜2,700ポンド(約40万円)の保証金を要求したうえに引っ越し日を取り決めては言い訳を繰り返し、引っ越しをキャンセルし続けてきた。それもそのはず、広告に出した家を貸す気など更々なかったからだ。

その言い訳には、「2歳の息子が深刻な病になり入院している」「息子がプリマスで病気になってしまい、引っ越し日に鍵をカーディフまで届けに行けない」「息子が死んだ」など我が子を病気に仕立て、さらには死を偽るという呆れたものであった。ザック君の健康状態には何の問題もないことは後に明らかとなっている。しかしこうした悪質な手口で、被害者となった女性の1人には「友人に借金するなり身の回りの物を売るなりして保証金を払えばいい。そうすれば家をおさえておく」と圧力をかけていたという。

保証金を取っておきながら引っ越し日を延期ばかりするジャクソンを不審に思った数人の被害者が、ネット上でジャクソンのことを調べたところ過去に詐欺罪で逮捕されていた事実を掴んだ。

このほどカーディフ刑事法院で、9件の詐欺罪で2年の懲役を言い渡されたジャクソンだが、アンドリュー・ケンダル検察官は「被告の嘘は被害者らに大きな衝撃を与えた。1組のカップルは一時期ホームレス状態になり、もう1人はキャラバン住まいを強いられた」と述べ、サウス・ウェールズ警察も「息子を利用した最低の詐欺行為」とジャクソンを非難した。

一度目の詐欺罪の判決時にも「顔見知りの同僚らの親切心を利用し、病気を偽り同情を引こうとした卑劣で見下げ果てた嘘」ということで刑が科せられたジャクソンだったが、本人に反省する気持ちは微塵もなかったようだ。今回の判決後、サウス・ウェールズ警察のアンジェラ・チャラビ(Angela Tchalabi)巡査は「実刑が科せられたことで、被告も自分の罪に気付いてくれることを願う」と話している。

画像は『Mirror 2017年7月12日付「Dad who lied that his son had died from cancer to swindle £13,000 is jailed for two years」(Image: Wales News Service)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)