女性誌『Suits WOMAN』で注目を集めた「貧困女子」。これは、普通の毎日を送っていたのに、気がつけば“貧困”と言われる状態になってしまった女性たちのエピソードです。

今回お話を伺ったのは、現在、契約社員として都内のメーカーで働く早川珠季さん(仮名・37歳)。彼女の手取り月収は18万円、東京都町田市内の家賃5万円の木造アパートに、猫と一緒に住んでします。新卒からのキャリアについて伺いました。

「都内の有名私立大学に付属校から進学して卒業したのですが、就職氷河期だったのでどこも引っかからず。茅場町にある証券会社に就職したのですが、あまりに男尊女卑なのとセクハラが横行していたので半年で退社。その後は超ブラックな広告代理店を1年で辞め、出版社の契約社員を3年で辞め、スタートアップのネット関連の会社に入って3年で辞め……というの10社くらい繰り返しているうちに、今の会社の契約社員になりました」

珠季さんの身長は167cmと大柄で体格もよく、タレントの鈴木紗理奈さんに似ています。服は、ネイビーのとろみ素材のブラウスの裾を前だけボトムにINする流行の着こなしをしていて、ボトムは黄色のプリーツスカートです。ボルドーのチャンキーヒールのサンダルを履いており、バッグは“C”のマークが柄になったアメリカブランドのものでした。

「服は全部メルカリで買いました。ここ10年以上、新品のアイテムなんて買ったことないですよ。化粧品だって使いかけを中古で買っています。ずっと年収240万円以下で一人暮らしをしているから、お金は貯まらないし、結婚もできません。一生懸命働いているのに、給料日前には全然お金が無くなるんですよ。ストレスがすごく溜まるし、老後の不安で毎日死にたくなります。この前、会社から家まで帰る間、“死にたい”って何回つぶやくか試してみたんです。そしたら250回以上言っていてびっくりしました。そのくらい本当に希望がない。仕事もつまらないし、いい男はいないし、本音で話せる友達はいないし、趣味もないし本当に死にたいです」

出世レースから脱落した、バイアグラ上司との不倫の内容とは?

今、付き合っている男性はいないのか伺うと、“いるような、いないような……”とぼやかす珠季さん。

「相手は今の会社の正社員で、大阪支社にトバされた50歳の既婚者です。彼は東京本社に月イチで呼び出されて、年下の上司からガン詰めされる会議があるんですが、その夜にウチに泊まって、翌朝の新幹線で大阪に帰っていす。もう1年になりますが、愛情も何もない関係。“オマエとも、もう飽きたな”と言ったり、叩いたりするし。私も発散できるからいいかな、と思っているんですけどね。彼もストレスが溜まっているから、私みたいなブスをバカにしながら恋愛して、優越感に浸るのが楽しいのではないでしょうか」

別れようかな、と思ったのは彼が家族からかかってきた電話を聞いてしまった瞬間だそう。

「着信があって、家の外に出るから、こっそり電話の内容を聞きに行ったんですよ。そしたら彼の中学生の息子さんからの電話で、ステレオの使い方を一生懸命解説しているんですよ。“レコードを置いて、針を持つと回り出すだろ?一番外側に針を落として……”とか、私が聞いたこともないような優しく明るい声で話している。こんなに暴力的で醜くて、バイアグラを飲まないと機能しなくて口臭がきつい男にも、妻がいて息子がいる。なんともならないですよね」

そんな恋愛関係を続けていると、ますます苦しくなっていくのではないでしょうか……と伺ったところ、“別にそんなことはありませんよ”と珠季さん。

「私、そんな恋愛ばっかりですもん。私は、スーツを着て仕事をする男性としか付き合いたくないんです。そして、そういう人と結婚して専業主婦になるのが夢。たとえ相手が既婚者であっても、スーツを着ている人と交際するとなんでも言うことを聞いてしまって、結果的にモラハラっぽくされてしまうんですよね。“お前みたいなブスとつきあってやってるんだ”とか“ありがたく思え”とかね。“出世もろくにできないカスが偉そうにしてんじゃねーよ”と心の中で思いつつ、“愛している”とか言う私もバカだな〜と思いますけど」

業務用食品卸売店で1キロ500円程度で購入したマカロニを1週間分ゆでて味を変えて食べている。砂糖ときなこをかけても美味しいとか。

転職を繰り返す原因は、ワーキングマザーへのハラスメントと言われてしまうある行動があった……〜その2〜に続きます