幕末の志士 高杉晋作も愛した!これぞ江戸の心意気、今こそ知りたい都々逸(どどいつ)名作選

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都々逸(どどいつ)ってどんなもの?

三千世界の鴉を殺し 主と朝寝がしてみたい・・・

この歌詞を、皆様どこかで一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。この歌は、幕末の志士高杉晋作が作ったとされる都々逸です(諸説あり)。

都々逸とは、江戸末期に初代都々逸坊扇歌という寄席芸人が大成した七・七・七・五調の俗曲の事です。男女の恋を唄ったものが多いのが特徴で、一曲が一分に満たないほど短く、難しい節回しもありません。そのため、格式高いお座敷遊びというよりは友人や恋人とのちょっとした酒の席などで、誰でも気軽に唄えるのが都々逸の良さです。

音痴な人でも大丈夫。西洋音楽と違って音程がかっちり決まっていないので、誰でも粋に歌えます。もともと、たいへん唄好きな江戸の人たちには粋で気軽な都々逸がぴったり来たようで、大流行しました。古典落語「二番煎じ」などでも、即興都々逸を唄うシーンが登場します。

昭和中期ごろまでは寄席の前座や合間に歌われたようですが、今ではそういった事もなくなってしまいました。

名作都々逸をご紹介!

さて、今回はそんな忘れられつつある都々逸の中から、名作を何点かご紹介します。

可愛い恋の唄

「あきらめましたよどう諦めた あきらめられぬとあきらめた」
「弱虫がたったひとこと小っちゃな声で 捨てちゃいやよと言えた晩」
「惚れさせ上手なあなたのくせに あきらめさせるの下手な方」
「惚れて通えば千里も一里 逢わで帰ればまた千里」
「重くなるとも持つ手は二人 傘に降れ降れ夜の雪」
くすっと笑えるおもしろい唄
「米の高い時双子を生んで お米、お高と名をつけた」
「赤い顔してお酒を飲んで 今朝の勘定で青くなる」

セットになっている歌

「あざのつくほど抓っておくれ それをのろけの種にする」
に対して、
「あざのつくほど抓ってみたが 色が黒くてわからない」

聞いたことのあるあの言葉

実は都々逸で唄えるんです。
「立てば芍薬座れば牡丹 歩く姿は百合の花」

「ざんぎり頭を叩いてみれば 文明開花の音がする」

いかがでしょうか。
忙しい現代社会には、都々逸よりもアップテンポの洋楽やJ-POPの方が合っているのかもしれません。しかし、疲れた夜にはお酒と一緒に好きな都々逸を気持ちよく唄ってみてください。きっと、日本人誰しもの心の中にあるふるさとに帰ったような温かい気持ちになるはずです。最後におひとつ、ホッとする都々逸を紹介します。

「くじも当たらず出世もなくて 今日を生きてる運のよさ」

参考文献:中道風迅洞『どどいつ万葉集』徳間書店