米露首脳会談について、中国メディアは「関係は冷え込んでおり、相互信頼が著しく不足している」と伝えている。そこには中国にとって最悪のシナリオとなる核大国同士の接近を嫌う本音も見え隠れする。写真は米国会議事堂。

写真拡大

2017年7月14日、「関係は冷え込んでおり、相互信頼が著しく不足している」。米国のトランプ大統領とロシアのプーチン大統領の初めての首脳会談について、中国メディアがこんな見方を伝えている。中国にとっては米露が手を組んで対峙(たいじ)してくるのは最悪のシナリオ。核大国同士の接近を嫌う本音も見え隠れする。

主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれたドイツ・ハンブルクで7日に行われた米露首脳会談について、中国網は「関係の改善はあるか」との記事を掲載。予定されていた35分を大きく上回り、2時間15分に及んだ会談を解説してみせた。

この中では「トランプ、プーチン両氏は親密ぶりをアピールしているが、米露間にはわだかまりが残されており、これを忘れるのは容易なことではない。今回の首脳会談では『建設的な』共通認識が生まれたが、専門家は会談が実質的な結果を出すかについては楽観していない」と指摘。具体例として「まず米露のウクライナ問題の解決はほぼ不可能だ」と述べた。

そのウクライナ問題については「ロシアの核心的な戦略的利益に関わり、米国に譲歩する可能性は微々たるものだ。双方はそのことをよく知っている」と前置き。「トランプ大統領は就任前、ロシアがウクライナ情勢を沈静化させ、クリミアを『返還』することに期待していた。しかし、プーチン大統領がその思惑通りになることはない」と断じた。

テロ対策とシリア問題の解決に関しては「米露は共通認識を見いだし妥結する可能性があるが、過激派組織・イスラム国(IS)は重傷を負い、崩壊の日も遠くはない。対テロ共同戦線内に隠されているさまざまな食い違いも次々と浮上している」と言及。「米露は『ポストIS時代』の利益分配をめぐり計算し、裏で駆け引きを展開している。双方はシリアの上空で、『非友好的な接触』を繰り返した。シリアのアサド大統領の進退をめぐり、米露の駆け引きが避けられなくなる」としている。

さらに、「米国の政治エリートと大衆メディアは、ロシアに強い反感を抱いており、これを短期間内に解消するのは困難だ。米国の対露経済制裁、ロシアの米大統領選への介入という2件をめぐるトランプ政権の態度と立場は主流メディアと一致していない」と説明。「介入問題は現時点でも明らかになっておらず、トランプ大統領が軽率に米露の長年にわたる恨みつらみを帳消しにすることはない」と論評している。

その上で「米露関係は冷え込んでおり、相互信頼が著しく不足している」と強調。専門家の「両首脳の友好がいつまで続くかは両国が一部の重大な戦略的問題をめぐり、どれほど多くの共通する利益を見いだせるか、両首脳が利益共有・共同構築の過程で十分な政治資本を得られるかにかかっている」との分析を紹介し、「現状を見る限り、両国関係の持続的な改善の条件は成熟にはまだ程遠い」と結んでいる。(編集/日向)