快進撃の二宮/ボラコバは決勝に一歩届かず「やりきったけど悔しい」 [ウィンブルドン]

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 イギリス・ロンドンで開催されているウィンブルドン(本戦7月3〜16日/グラスコート)は大会11日目、男子シングルス準決勝、女子ダブルス準決勝などが行われた。女子ダブルスの二宮真琴(橋本総業ホールディングズ)/レタナ・ボラコバ(チェコ)は第9シードのチャン・ハオチン(台湾)/モニカ・ニクレスク(ルーマニア)に6-7(4) 6-4 7-9で惜敗。2007年に準優勝した杉山愛(/カタリナ・スレボトニク)以来の日本人の決勝進出はならなかった。

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 ここまで勝ってきた相手を考えれば、チャンスは大ありだった。ただ、それはコンビ経験もそれぞれのグランドスラム実績もさほどないノーシードの二宮たちに対して、相手ペアも同じように考えたはずだ。

 チャン・ハオチンは最近マルティナ・ヒンギス(スイス)との固定ペアで活躍しているチャン・ユンジャン(台湾)の妹で、ダブルス・スペシャリストの23歳。昨年、自己最高の5位を記録し、姉妹ダブルスで10回のツアー優勝を果たしているが、不振に陥ったためしばらくコンビを解消することにしたという。姉のほうはヒンギスという世界屈指のダブルスプレーヤーをすぐに見つけたからよかったが、妹のハオチンのほうはパートナー探しが難航し、このニクレスクが今年だけで姉以外では9人目のパートナーとなる。

 チャンの気迫にはそんな背景も感じさせたが、4人の中でもっとも冷静に、軽快に、そして大胆に好プレーを見せていたのは二宮だと感じたのは、日本人の贔屓目だろうか。

 舞台は1番コート。「入ってみると、意外とちっちゃいなと感じました(笑)。席もいっぱい空いてるし、そんなに緊張はしなかった」と、あとで二宮はケロリとして言ったが、ウィンブルドンのファンはグランドスラムの中でもダブルス好きで、ダブルスに対する目が肥えた客も多い。4人の中にこれまでウィンブルドンで大活躍した選手はいないが、ウィンブルドンの決勝という夢のステージをかけた緊迫した勝負に、観客の数も拍手も声援も徐々に増していった。

 第1セット5-5から大きなブレークに成功したのは二宮/ボラコバ。しかしボラコバのサービスで迎えたサービング・フォー・ザ・セットは、あっという間に0-40。1本返したもののブレークバックを許し、タイブレークへ。3-3までは競ったが、そこからの5ポイントのうち4ポイントを奪われた。

 第2セットを6-4で取り返してセットオールに持ち込んだが、最終セットもシーソーゲーム。もっとも勝利に近づいた場面は第10ゲーム。マッチポイントこそ握れなかったが、30-30、そしてデュースと、「あと2ポイント」に2度迫った。

 これを勝利につなげられず、逆に第13ゲーム、二宮のサービスゲームはダブルフォールトも絡んでブレークを許す。すぐにブレークバックの粘りを見せるが、続くボラコバのサービスゲームもキープできずにふたたびピンチを招いた。ここでも30-30とまたもブレークバックの気配を見せたが、チャンのファーストサービスに対してボラコバのリターンがネットにかかり、相手ペアのマッチポイント。最後は二宮のリターンがサイドラインのわずか外にはずれた。

「できることは精一杯やったので、悔いはない。でも悔しいです」と二宮。しかし、今後はいい選手から声を掛けられることも、誘って引き受けてもらえる機会も増えるだろう。

 また、「今回得たものはシングルスでもつながると思う。ダブルスでの思いきったプレーをシングルスにも生かしていけたら」と単複両方での活躍を誓う。ちなみに、シングルスのランキングは昨年280位まで上がったが、現在は463位。1対1はないとはいえトッププレーヤーと打ち合い、打ち勝った自信、ウィンブルドンの1番コートでプレーした経験が23歳をどう変えるのか、楽しみだ。

テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美)

※写真は「ウィンブルドン」女子ダブルス準決勝で、第9シードのチャン・ハオチン(台湾)/モニカ・ニクレスク(ルーマニア)に6-7(4) 6-4 7-9で惜敗した二宮真琴(橋本総業ホールディングズ/手前左)/レタナ・ボラコバ(チェコ/手前右)。(撮影◎小山真司/テニスマガジン)