同業者がこぞって勉強しに来るという名店「麦酒倶楽部 ポパイ」

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杯を重ねるごとにクラフトビールの奥深さに魅了される人が続出している。その魅力がわかってきたら今度は、もう少しマニアックなビールに触れてみてはいかがだろう。日本の小さなブルワリーで造られた、個性の光る一杯に巡り合える至福のひとときが待っているかもしれない。

【写真を見る】クラフトビールによく合う、甘辛く味付けされた「スペアリブのスタウト仕込み」(1280円)

■ クラフトビールの聖地で新しい発見

クラフトビールを語るうえで絶対にハズせないのが「ポパイ」。同業者がこぞって勉強しに来るような名店中の名店だ。カウンターの奥には70以上のタップが並び、日本の銘柄も圧倒的な数。ジャパニーズクラフトビア、すなわち“地ビール”というと、薄くておいしくないというイメージを持っている人も多いと思うが、以前に比べ醸造家の技量が格段に上がっているらしい。

オススメを一杯もらうと、海外のビールにはない繊細さと、なめらかな口当たりに驚く。こっちの方が好きかも…。やっぱり、日本人の好みは日本人が一番知っているのだ。店主も醸造家も。

甘辛く味付けされた、スペアリブのスタウト仕込み(1280円)。

ホップをのっつど(津軽弁でたくさんの意味)入れクリーミーな味に仕上げたビーイージーブルーイングのっつどIPA alc 7.5%(998円)。度数が高いがそれを感じさせない飲みやすさだ。

柚子の爽やかな香りとジンジャーの清涼感漂う夏色ゆずジンジャーウイットalc 5.5%(680円)。さっぱりとした飲み口。ジメジメしたこの時季に夏の予感を感じさせる。

ローストされた香りと程よい酸味の島国スタウトalc 4.6%(696円)。真っ黒で重そうだが、クセもなく、アルコールも控えめで、口当たりも軽やか。

■ 「店内で」ビールを造るブルーパブ

ビールというものは非常に繊細で、温度の変化や振動、酸素によって、すぐに劣化してしまう。そのため、ブルワリーのできたてが一番おいしいのだが、わざわざそこまで足を運ぶのも…。と思っていたら、最近ブルーパブと呼ばれるスタイルが定着し始めている。これは、店内でビールを造ってしまう、というもの。

「中野ビール工房」では、常時6〜8種のビールを製造しており、超フレッシュなビールを注いでくれる。もちろん、すべてがココでしか飲めないオリジナル。「アレは香りが華やか、ソレは甘味があって口当たりがいい、うーん、コレはちとビターな味ですな」なんてスタッフ(醸造家)と語り合うのもおもしろそうだ。

ピクルスやクリームチーズなど、料理はすべてワンコイン(500円)で提供される。

IPA alc 6.3%(500円)は花のような爽やかな香りで、甘味と苦味、両方が効いている一杯。アルコールはやや強めで、飲み応えがある。

甘味の強い北海道産の小麦を使用した石狩ホワイトalc 5.1%(500円)。オレンジピールを加えることで、香りが華やかになり、フルーティで飲みやすい。

ビターブラウンalc 5.0%(500円)はコーヒー豆を使用、戻り香にコーヒーの風味を感じる。スタウトよりも軽いが、ちょっぴりクセがある口当たりだ。【東京ウォーカー】