「Thinkstock」より

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 出勤前や仕事の休憩時間にカフェを利用する方も多いだろう。また昨今では、カフェでノートパソコンを開き仕事に勤しむ「ノマドワーカー」もよく見られる。そんな需要を見越してなのか7月12日、「月額5800円(税込)で飲み放題」という新しいスタイルを導入した「HANDEL’S CAFE」(ハンデルスカフェ)が、神奈川・横浜にオープンした。

●通常価格がおよそ390円、月に15杯注文すれば元は取れる計算

 京都発祥のアイスクリーム専門店「ハンデルスベーゲン」が手がける月額制システムが導入された同店。月に5800円を支払うと、9種類のドリンクが飲み放題になる。カフェラテやキャラメルラテといったコーヒータイプのドリンクが5種類に、アールグレイティーやロイヤルミルクティーといった紅茶タイプのドリンクが4種類と、計9種類のメニューが対象で、いずれもテイクアウトも可能だ。

 これらのドリンクは、レギュラーサイズでの平均価格が390円程度。つまり、月に約15杯飲めば元が取れる計算になる。2日に1回のペースで店に足を運べば5800円を超えるのだから、頻繁にカフェを利用する方にとっては、コストパフォーマンスがいいように思える。

 だが、実際に店頭へ足を運ぶと、懸念材料が浮かんできた。

●オープン2日前には登録者が840名

 場所は横浜駅構内にあるショッピングモール・ポルタ内。通勤や通学の際に気軽に立ち寄ることができるスポットだが、同じ飲食店街にはスターバックスコーヒーやタリーズコーヒーといった競合店が立ち並ぶ。それでも、月額制飲み放題を申し込んだ人は、元をとるために通いつめたくなるのが消費者心理というものだろう。

 オープン当日の7月12日。実際に訪問した記者は、まず店員にあらためてシステムについて説明を受けた。

「通常は月額5800円で9種類のドリンクが飲み放題なのですが、オープン記念ということで、初回割引価格の3600円での飲み放題が適用されます。しかし、こちらの月額料が適用されるお客様は先着30名のみとさせていただいております。オープン前からかなり評判になっていたようです」

 インターネットからの登録になるため、その時点での具体的な会員応募数は不明だったが、オープン2日前の7月10日時点で840名が登録していたという。登録した全員が初回割引目当てではないにしろ、割引が有効となる先着30名から考えると、28倍もの倍率に達していたことになる。

●店内は狭く席数も少ないため、くつろげない

 ここで注目したいのが店内の構造と席数である。客が10人も入らないような狭いイートインスペースで、席同士は非常に近く圧迫感すら感じられる。回転率重視の店舗構造であり、Wi-Fiはつながっているもののコンセントがないため、ノートパソコンを開いてコーヒーに舌鼓を打ちながら優雅に仕事をしたいという方には向いていないだろう。

 月額制の飲み放題に興味を惹かれ、同じくオープン当日に来店していた客に話を聞いた。

「週5日の出勤だと考えると、月に約20杯前後。それが5800円を払うだけで提供されるというのは嬉しいです。店内でくつろぐ気にはなれませんが」(20代男性客)

「会社へ行く通り道だから、毎日テイクアウト利用すればかなりお得。ただ、これはあくまで個人的な感想ですけど、純粋なコーヒーの味としてはドトールやスタバのほうがおいしいかな」(40代男性)

「試しに1カ月は通ってみるけれど、たぶんずっとは通わないと思います。最近はセブン-イレブンとかのコンビニコーヒーもおいしいから、テイクアウトならコンビニで十分」(30代男性)

 好意的な意見、批判的な意見で賛否両論といった様相を呈している。ホットサンドやスイーツなどのフードも充実しているので、食事代のみで済ませることができるところがビジネスパーソンには嬉しい月額制カフェだが、ゆったりとくつろぐための“場所代”は5800円には含まれていないといえそうだ。
(文=A4studio)