先週、「Jayden K. Smith」というハッカーに注意しろという内容のものが出回った。

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[注意]あなたのメッセンジャーリストにあるすべての連絡先に、Jayden K. Smithの友情要求を受け入れないように教えてください。彼はハッカーであり、あなたのFacebookアカウントにシステムを接続しています。あなたの連絡先の1人がそれを受け入れると、あなたもハッキングされるので、すべての友達にそれを知らせてください。受け取ったとおりに転送されます。
メッセージを指で押さえてください。真ん中の一番下に転送ボタンがあります。それをタッチし、あなたのリストにある人の名前をクリックすると、それがそれらに送信されます
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落ち着いて読めば、ところどころ日本語の表現がおかしいので、怪しさ満載のメッセージだ。
しかし、突然、予期しない日に送信されてきて、「ハッキング」などといった緊張するワードが文面に踊っていると、人はパニックに陥ってしまうものだ。
つい、「他の人に迷惑をかけちゃいけない」と送ってしまう人もいるのだろう。

この手のチェーンメールはFacebookメッセンジャーでは以前から存在している。
数年前にも
「Facebookに新しいハッカーが現れました」
などというメッセージが出回っている。

どうして、チェーンメールは周期的に現れるのだろうか?

SNSの拡散力とチェーンメール
「受け取った者はx人に同じ内容の手紙を書いて送らないと不幸になる」
「x日以内に送れば幸せになれる」
といった、「不幸の手紙/幸福の手紙」がネットで復活し、今ではチェーンメールと呼ばれている。

そもそもチェーンメールとSNSは相性がいい。そこが悩ましい。
TwitterやFacebookなど、投稿をシェアし合うことで共感を生むソーシャルメディアには大きな拡散力があるからだ。

たとえば、話題となった「アイスバスケットチャレンジ」も、ある意味、チェーンメール的な仕組みだった。
この件の場合、
・ALSという難病の存在を知ってもらう
・多くの人にALSという難病について考えてもらう
そうしたきっかけにもなったが、行為自体が一人歩きして、アメリカから全世界に一気に広がった。

この「アイスバスケットチャレンジ」もそうだが、こうした爆発的な拡散力はコントロールすることが非常に難しい。

何気ないツイートが拡散されて、事態の収集に困ることになる場合もある。
九州豪雨で「タオル支援」を呼びかけたところ、大量のタオルが届けられ対応しきれない事態になってしまったという話もある。
その後、発信元が「もう不要だ」と断わりのメッセージを書いたにも関わらず、「タオル支援」は止まらなかったという。

また、事実ならまだいいとして、
・誤情報を広めてしまうことにつながってしまう
・情報の撹乱につながってしまう
といった、予期しない結果となることもある。

東日本大震災時、真偽の定かではない情報が錯綜したこともまだ記憶に新しい。

◎SNSの拡散力とうまく付き合う
このようなアンコントローラブルなSNSの拡散力は、社会や人に対して、プラスとなる結果に結びつく場合はいいが、社会や人にマイナスとなるようなトラブルを起こしてしまうと、途端に炎上や批判の対象となり、ネットでのやり玉に上がることになる。

発信元も、シェアして拡散する人にも、たいていの場合、どこまで拡散されるかは予測できていない点が問題だ。

では、どうすれば、誤情報の拡散にも加ってしまうことなく、チェーンメールにひっからず、過ごすことができるだろうか?

たとえば災害のとき、Twitterでは次のように救助要請の方法をまとめている。
https://support.twitter.com/articles/20170080

・救助要請が必要な人は、場所、氏名、人数、状態、要請内容など具体的に状況を説明する(できれば、ハッシュタグ「#救助」、位置情報をつける)

一方、救助要請ツイートを見つけた人は
・むやみにリツイートして拡散せず、119番や地域の対策室などに連絡をしてください
としている。
(できればTwitterで被災者と連絡をとって状況確認、代理で電話で119などに救助要請をするなども提示している)

要は、確実にできること・やるべきことは、「救助要請の情報を119に通知する」ことであり、「真偽を判断したり、行動に出たりすのは、119」だということ。

また、救助要請以外のことでいえば、自分が拡散しようとしている内容を落ち着いて見定めることだろう。
件のチェーンメールであれば、自分に送ってきた相手が「信用できる」からといってそのまま指示に従ってしまうのではなく、メールの文章中の文言で検索してみて一次情報やまわりの反応を確かめることだ。

ネットの文化も成長してきたとはいえ、まだ危険も多く生みだされている。
デマやフェイクニュースの片棒を担がないためにも、せっかくのツールを私たちもうまく活用するよう心がけておきたい。

救助要請 ー 電話が使えない時、Twitterで救助を要請

ざっくり...
◎今週、「Jayden K. Smith」というハッカーに注意しろというチェーンメールが出回った
◎そもそも拡散力があるSNSはチェーンメールと相性がいいが、その拡散力のコントロールは難しい
◎デマやフェイクニュースの片棒を担がないためにも、拡散する前に内容をいま一度確認すること


大内孝子