悪女を演じたフローレンス・プー

写真拡大

 数多くの映画祭で話題の映画『レディ・マクベス(原題) / Lady Macbeth』について、主演女優フローレンス・プーが、7月11日(現地時間)ニューヨークのIFCセンターで行われた上映後のQ&Aで語った。

 本作はロシアの作家ニコライ・レスコフの小説「ムツェンスク郡のマクベス夫人」を、19世紀後半の英国の田舎町に舞台を移して描いた作品。裕福な商人アレキサンダー(ポール・ヒルトン)の家に嫁いだカテリーナ(フローレンス)は、夜の関係をカテリーナと持たないアレキサンダーに嫌気がさし、使用人セバスチャン(コスモ・ジャーヴィス)との不倫に走り、その関係を保つために驚く行動に出る。舞台演出家ウィリアム・オルドロイドが監督を務めた。

 予測不可能でつかみどころのないカテリーナ役についてフローレンスは「確かに難しい役ではあるけれど、多くの人が持っている部分がカテリーナにもあると思うの。例えば、彼女の怒りっぽいところとか、(まだ女性蔑視されていたこの時代でも)嫌なことにはノーと言える度胸を持ち、自分がやりたいことを全てやるところとかね。だから、わたしは(映画内では悪魔的な行動をとるものの)悪魔のように演じたつもりはないし、彼女の感情の表現はとても人間的だと思ったわ」と話す。

 最も困難だったシーンは、馬を銃で撃ち殺すシーンだったそうで「今作で使われた馬はこれまで仕事をしてきた中でも、(人間も含め)最も頭の良い動物だったわ(笑)。この馬はトレーナーの指示で空中に飛び上がり、背中から地面に降りることができたの。そのトレーナーから『3度だけだぞ!』と言われて、何のことかと思っていたら、リハーサルも含め3回でOKをもらわなければいけないってことだったのよ」と語った。最初のテイクでは、いななきながら空中に飛び上がった馬に恐怖を感じ、フローレンスまで叫んでしまい、撮り直しをしたそうだ。

 劇中、カテリーナが住む家については「お城だけど、ヴィクトリア朝時代は動物園だったの。ただ、もともと動物園用に建てられたわけではなく、あるお金持ちの居住者が多くの動物をその城で買い始めたかららしいの。でも今は誰もそのお城を使っていなくて、空っぽの状態。だから、どれほど時間が掛かろうとも撮影期間はずっと使えて、今作のような独立系映画には夢のような話だったわ」と明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)