ベンゲル政権「アーセナル歴代9番」の成否を英メディア判定 神戸加入ポドルスキの評価は…

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ベンゲル体制初代9番のマーソンは、のちに契約を固辞してミドルスブラ行き

 アーセナルはクラブ史上最高額の4650万ポンド(約68億円)の移籍金でリヨンのフランス代表FWアレクサンドル・ラカゼットを獲得した。

 アーセン・ベンゲル監督政権下で11人目の背番号9となることが発表されたが、英サッカーメディア「Squawka」は歴代の9番について、「ヒット(成功)」か「ミス(失敗)」かを検証している。

 最初に登場する背番号9は、元イングランド代表FWポール・マーソンだ。1985年からアーセナルに所属していたが、ベンゲル政権が発足した96年の1年後に2年契約を固辞し、ミドルスブラに移籍した。現在は英衛星放送「スカイ・スポーツ」でご意見番を務めている。アーセナルのオファーを断り、ミドルスブラ行きを決断するのは今では珍しいケースだけに、記事ではベンゲル政権初代9番の移籍は「失敗」とジャッジされた。

 続いて査定対象となったのは、1997年に加入した元フランス代表FWニコラ・アネルカ。ゴールを量産し、97-98シーズンにリーグとFAカップ優勝の二冠に貢献した。在籍わずか2年でレアル・マドリードに移籍するも、タイトル獲得、そして50万ポンド(約7000万円)で獲得した原石が230万ポンド(約3億3000万円)で売却できた点を加味して「成功」と評価された。

 3人目の元クロアチア代表FWダボール・シュケル、4人目のFWフランシス・ジェファーズはともに「失敗」。1998年フランス・ワールドカップ得点王の前者はアーセナルで22試合8得点に終わり、01-02シーズンにエバートンから鳴り物入りで加入した後者も22試合4得点と期待を裏切り、“アーセナルの黒歴史”と呼ばれている

アジア出身のパク・チュヨンは厳しい評価

 5人目となる元スペイン代表FWホセ・アントニオ・レジェスは、2004年1月に加入した。抜群の打開力で69試合19得点という成績を残し、プレミアリーグとFAカップの優勝を経験。記事では「アーセナル全盛期に効果的なパーツだった」と評し、ヒットの判定を下している。

 06年加入の元ブラジル代表MFジュリオ・バプティスタは、「野獣」の異名で知られた肉体派アタッカー。しかし、アーセナルでは24試合3得点に終わり、「十分な出場機会もなければ、ゴールもない」と完全な期待外れと見なされている。

 続く7人目の9番は、2007年7月に加入して計41試合7ゴールという成績の元クロアチア代表FWエドゥワルドだ。抜群のサッカーセンスを備えていたが、バーミンガム戦で相手から危険なタックルを受けて重傷を負い、その後は輝きを取り戻すことはなかった。「不運な怪我に泣いた天才」という同情的な視線から「成功」と認定している。

 さらに8人目は、元韓国代表FWのパク・チュヨン。2011年夏の移籍市場最終日に獲得したが、公式戦出場は1試合わずか7分で、ルーカス・ポドルスキ獲得に伴い、9番から30番に変更となる一幕もあった。記事では、「過ち」とベンゲル政権で最も生産的でなかった9番に厳しい視線を注いでいる。

過去10人のうち、実に6人が「失敗」

 ベンゲル政権9人目の9番は、J1神戸入りした元ドイツ代表FWポドルスキ。2012シーズンにケルンから加入し、60試合で19ゴールを挙げたストライカーは、タイトルこそFAカップの一度だったが、ロッカールームでの明るいキャラクターも高く評価され、「彼のピッチ上での貢献は再建時のアーセナルを牽引するものだった」と称賛されている。

 そして、ラカゼットの先代にあたる9番がガリシア代表FWのルーカス・ペレスだ。デポルティボでゴールを量産したテクニシャンは、カップ戦では結果を出した反面、ターンオーバーに踏みきれなかったベンゲル采配の影響で出番を伸ばせず、「失敗」判定となった。今季、背番号は28とされているが、スペイン復帰が濃厚とされている。

 ベンゲル政権における過去10人の9番のうち、実に過半数の6人が「失敗」と検証されている。リヨンでゴールラッシュを見せたラカゼットは、入れ替わりの激しいガナーズの9番をまとい、成功の道を辿ることはできるのだろうか。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images