『銀魂』 (C)空知英秋/集英社 (C)2017映画「銀魂」製作委員会

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…中編「〜福田雄一監督の振り切れたバカバカしさが痛快」より続く

【元ネタ比較】『銀魂』後編
とっても気になるエリザベスの声!

「週刊少年ジャンプ」で連載している大人気コミック「銀魂」が実写映画化され、キャスティングはメインからサブキャラの隅々に渡るまでめっちゃいい!

万事屋で銀さんのもとで働く志村新八に扮するのは菅田将暉。トガったイメージがある菅田だが、万事屋の常識人を担い、侍としての銀さんに惹かれた地味なメガネ少年を好演している。

そして、万事屋で働く怪力の元気娘・神楽を演じるのは橋本環奈だが、正直言って筆者は初めて彼女をいいと思った。

橋本は本作の出演者の中で実は一番、慎重にならなくてはならないのではないかと懸念していた。というのも、お団子頭にチャイナ服で元気っ娘な神楽はコスプレイヤーに人気のキャラクター。中にはかわいくてクオリティが高いレイヤーもいる。大作出演の女優として、一般レイヤーに負けるわけにはいかないはずだ。

そんな不安を橋本は吹き飛ばしてくれた。第一段階の衣装や髪、かわいさは文句なしでOK。これはクリアしてくれないと困る。でも、それだけじゃなく、チャイナ服を着ててもセクシーにならない子どもっぽい体型もキャラクターにハマってる。「〜〜アル」のカタコト日本語も鼻につかないし、声もどうかするとアニメ版の釘宮理恵よりも、微かにハスキーで色気のない橋本の声のほうが神楽に合ってると思えた。

これまで筆者が「橋本環奈って静止画だと奇跡的にかわいいけど、動くとあんまりかわいくない」と思っていた要素、スタイルが今ひとつで色気がなくてどこか品がないという個人的見解のマイナスポイントがプラスに働いて、非の打ちどころなく神楽そのものなのだ。はっちゃけた力演も説得力を倍増。大声張り上げて飛んだり跳ねたり忙しく、大胆な鼻ほじりと白目もフルアクセルでやってくれたのは痛快だ。

ほかにも凶暴性を持つお妙役に長澤まさみ、ロン毛侍の桂小太郎役に岡田将生、沖田総悟役に吉沢亮、来島また子役に菜々緒、高杉晋助に扮する堂本剛はスネ毛を剃って三味線弾いて役に挑んだとか、みなイメージぴったりだ。福田組のムロツヨシの平賀源外、安田顕の村田鉄矢、佐藤二朗の武市変平太、柳楽優弥の土方十四郎らもそれぞれ個性を光らせて安定感、と挙げだしたらキリがない。

特筆しておきたいのは近藤勲役の中村勘九郎だ。「銀魂」の下ネタ担当の、いや下ネタは彼でなくても言うが、全裸になることが多くてお妙のストーカーであるアブナイ近藤勲役を誰がやるのかと思ったら、なんと中村勘九郎がやるというじゃないか!

歌舞伎役者がいいの!?という気がしたが、バラエティでのハレンチ発言を聞いていると意外でもないのかも。モザイク入りのフル◯ン姿も披露し、歌舞伎のにらみも大盤振る舞いして天晴れな熱演を見せてくれた。

もうひとりは役者じゃないが、桂小太郎の相棒である謎の宇宙生物のエリザベス。オバQの劣化版のようなキャラクターをどうやって三次元化するのだろうと思っていたら、ちゃちさ丸出しの着ぐるみ! 『勇者ヨシヒコ』で手作り感満載のハリボテのスライムを登場させていた福田監督らしい。中の人が見えちゃいそうなお笑いシーンもサービス。

声は誰かと言うと、試写会でおもむろにエリザベスの声は今後一切解禁なしとのお達しがあったから残念ながら言えない。そういや福田組で忘れちゃいけないアノ人が出てなかったね、とだけ言っておこう。でも、セリフをプラカードで出すエリザベスがいったいどこで声を発するのだろう、と注意していたのに筆者は不覚にも聞き逃してしまった。

さあ、さあ、こんなの読んでないで、悪いこと言わないから、早く見に行って! 自分でいうのもなんだが、漫画の実写化をこれだけ手放しで絶賛するのも珍しいから。いや、ほんとに最高にバカバカしくて面白い! この夏一番の文句なしのお祭り映画だ!!(文:入江奈々/ライター)

『銀魂』は7月14日より全国公開される。

入江奈々(いりえ・なな)
兵庫県神戸市出身。都内録音スタジオの映像制作部にて演出助手を経験したのち、出版業界に転身。レンタルビデオ業界誌編集部を経て、フリーランスのライター兼編集者に。さまざまな雑誌や書籍、Webサイトに携わり、映画をメインに幅広い分野で活躍中。