ファッション雑誌業界を舞台にした『セシルのもくろみ』(フジテレビ)の第1話が、昨日7月13日に放送された。これまで、ファッション雑誌の編集部を舞台にした作品としては、編集者同士が格付けしあう“マウンティング女子”が話題となったドラマ『ファーストクラス』(フジテレビ)をはじめ、映画においても『プラダを着た悪魔』など、華やかなイメージの裏側にある女性たちの欲望を描くものが多かった。前シーズンの同枠で放送されていた『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ)も、“美”に対してコンプレックスを抱いている女性たちを主人公とした物語で、女性社会の本音を描くのはひとつの流行になっているといえるのかもしれない。

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 『セシルのもくろみ』には、真木よう子、吉瀬美智子、伊藤歩、板谷由夏、長谷川京子らがメインキャストに名を連ねており、『ファーストクラス』同様、恐ろしく震えるような本気のマウンティング劇を期待してしまう。しかし本作は、専業主婦や独身女性、シングルマザーなど様々な立場の女性たちが、ぶつかり合いながらも幸せを探していく物語で、従来の作品群とは一味違うようだ。第1話では、真木演じる主人公・宮地奈央が人気女性ファッション誌『ヴァニティ』の読者モデルとしてスカウトされ、ファッションライターの沖田江里(伊藤歩)と2人3脚で奮闘していく様子が描かれた。

 宮地と沖田は、少しでも相手に不満があると、すぐストレートに本音をぶつけ合う間柄だ。沖田は『ヴァニティ』の編集デスク・黒沢洵子(板谷由夏)の推薦で宮地に会い行き、全く興味を持たなかった宮地をようやく説得してスカウトに成功する。しかし、実際に撮影に訪れた宮地は、スタイリング、ポージング、表情まで、すべてがスタッフから不評だ。「私物紹介」という企画の撮影にも関わらず、急遽スタイリストが用意したバックに変更されてしまうほど。その状況に耐えきれなくなった宮地は「もう、やめる」と切り出すが、そこで沖田は宮地をなだめるでもなく、「は? 何無責任なこと言ってんの。これだから主婦は!」と挑発。その言葉で、宮地は「主婦ナメんなよ。だったらやってやるよ」と発奮するのだった。

 そんな宮地と沖田の2人を見守り、助けていくのがカメラマンの山上航平(金子ノブアキ)とカリスマヘアメイクの安原トモ(徳井義実)だ。山上は、撮影前に緊張している宮地をリラックスさせ、安原は「自分の正義を通したければ、まず認めさせること」と宮地に助言を残していく。宮地・沖田・山上・安原で結成した“チーム・ミヤジ”の4人が『ヴァニティ』の人気読者モデルを目指していくなかで、ふたりの男性陣にはどのようにスポットが当てられるのか。「え、山上くんこういう野生児がタイプ? まさか宮地奈央がライバルになるとは」という安原の発言からは、恋愛劇への発展も感じられた。

 ところで本作の第1話を見て、何よりも目を引いたのは、キャスト陣の華やかさだ。真木、伊藤をはじめ、実際に劇中でも絶大な人気を誇る『ヴァニティ』のカバーモデル・浜口由華子演じる吉瀬や『ヴァニティ』の元No.2モデル・安永舞子演じる長谷川の美しさには釘付けになる。彼女たちはその美貌だけではなく、洗練された演技でも視聴者を引き込む実力がある。過去作で一度は意地悪で卑怯な役柄も演じてきた彼女たちだけに、今後も熾烈な演技合戦が繰り広げられることだろう。

 本作のタイトルにある“セシル”とは、フランスの小説家、フランソワーズ・サガンの名作 『悲しみよこんにちは』の主人公・セシルが由来だ。安原が劇中で「この業界の子たちがみんなセシルと同じなの。称讃されたい者、出世したい者、トップに立ちたい者……。誰でもみんなセシルみたいにもくろみを持ってるんじゃないかな」と言っていたように、彼女たちそれぞれの“もくろみ”が、物語を動かしていくのだろう。第一話ではまだ、働く女性たちが切磋琢磨していく健全な面が描かれたが、もしかしたら『悲しみよこんにちは』のように、ぞっとするような展開も待ち受けているのかもしれない。

(大和田茉椰)