テニス、ウィンブルドン選手権、男子シングルス準決勝の前日練習に臨むロジャー・フェデラー(2017年7月13日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】男子テニスのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)とノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)の体が悲鳴を上げる中、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は、苦しむ2人に対して30代中盤に突入してもプレーを続ける青写真を与えている。

 ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)の前年覇者であるマレーが、長期にわたり悩まされてきた臀部(でんぶ)に異常をきたし、準々決勝でサム・クエリー(Sam Querrey、米国)の前に屈しただけでなく、大会3勝のジョコビッチも右肘のけがでトマス・ベルディハ(Tomas Berdych、チェコ)との準々決勝を途中棄権。

 全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)の開幕がわずか6週間後に迫る中、世界ランキング1位のマレーと不振にあえぐジョコビッチは、ともに実戦を離れて休養をとる可能性があることを示唆している。

 その一方でフェデラーは、オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(All England Lawn Tennis and Croquet Club、AELTC)で12度目の準決勝進出を決定。8月に36歳の誕生日を迎えるフェデラーは、時間の流れに逆らうかのような強さを見せつけて前人未到となる8度目のウィンブルドン優勝へあと2勝に迫っており、ボリス・ベッカー(Boris Becker)氏の口からも「フェデラーは35歳にして過去最高のテニスをしている。テニス以外での生活もしっかりしているからね」との声が聞こえている。

 昨年のウィンブルドン準決勝でミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)の前に涙をのんだフェデラーは、同大会直後に残りシーズンの全休を表明し、全仏オープンテニス(French Open 2016)に続いてリオデジャネイロ五輪と全米オープンも欠場。2016年はわずか28試合のプレーにとどまった。

 フェデラーが休養に努める間、マレーとジョコビッチは世界ランキング1位の座をめぐる戦いを繰り広げ、両者は1年を通してそれぞれ87試合と74試合をこなした。

 そして2017年。フェデラーはわずか7大会にしか出場していないが、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)をはじめ、BNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2017)とマイアミ・オープン(Miami Open 2017)、さらにゲリー・ウェバー・オープン(Gerry Weber Open 2017)でタイトルを獲得。ここまでのシーズン成績は29勝2敗を誇っている。

■完璧なバランス

 ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)がローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)で前人未到となる10度目の優勝を飾った一方、フェデラーは10週間に及ぶクレーコートシーズンを今年も見送っている。

 対してマレーは、今季11大会に参戦して25勝10敗、ジョコビッチは国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2017)2戦を含む12大会に出場して33勝8敗を記録。ジョコビッチにいたっては、2009年以降の最低位となる世界4位まで転落している。

 適切なときにプレーし、必要なときは休むという完璧なバランスを見つけ出したというフェデラーは「30歳になったらこれまでを振り返り、自分がどれだけプレーしてきたか、どれだけ体に休養を与えてきたか、どれだけの練習をこなしてきたか、適切な量だったのか、やりすぎだったのか、もしくは足りなかったのかといったことを考えなくてはならない」と説明した。

「常に全体を調整するんだ。個人的にはそれがうまくいった。時にして体と精神は休みを必要とするんだ」

 ともに30歳になったマレーとジョコビッチは、フェデラーのように長期的な視点で考えていく必要があるとベッカー氏も指摘する。

 マレーは今シーズン、全仏オープンこそ準決勝に進出したが、全豪オープンでは4回戦敗退。昨年のローラン・ギャロスで生涯グランドスラムを達成したジョコビッチも、豪メルボルン(Melbourne)では2回戦負け、全仏オープンはベスト8止まりとなっている。

 そうした状況を受け、グランドスラムを1大会欠場するのは大したことではないというベッカー氏は「アンディやノバクにとっては、本当に体を休める上で教訓になったかもしれない。時間をかけて健康な体をつくり、無理なときはプレーしないといったようにね」とコメントした。

「アンディは全米オープン出場のことは心配せずに、長期的な視点で考えなくてはいけない。ウィンブルドンのような形で大会に入っていくなら、そもそも勝てる見込みはないだろう」

「ツアーは厳しいスケジュールだ。ノバクにも同じアドバイスを与えるよ―休めとね」
【翻訳編集】AFPBB News